●昨晩はクリスティアン・テツラフのリサイタルへ(トッパンホール)。シマノフスキ「神話」、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調、パガニーニ「24の奇想曲」より、クルターク「サイン、ゲーム、メッセージ」より、エネスコのヴァイオリン・ソナタ第2番ヘ短調という聴きごたえのあるプログラム。一曲一曲に息苦しいくらい緊迫感があって、冒頭のシマノフスキからすさまじい求心的な演奏で聴衆をひきつけていた。極北のヴァイオリン演奏。エネスコ、カッコいい。この曲の土臭さと洗練の並存が楽しい。テツラフは前日、前々日とヘンゲルブロック指揮ハンブルク北ドイツ放送響のソリストとしてモーツァルト、メンデルスゾーンの協奏曲を弾いていて、どうしてこんなに崖っぷちに立つみたいなモーツァルト、メンデルスゾーンなんだろうととまどいを感じたけど、この日のプログラムを聴いて少し霧が晴れたような気分に。
●テツラフの使用楽器はドイツのペーター・グライトナー氏という楽器製作者によるコンテンポラリーなんすね。氏のサイトのArtists & Recordings の項を見ると、テツラフをはじめ結構な名前が並んでいる。心強いかぎり(?)。
May 31, 2012