●最終予選の初戦はホームで対オマーン戦。その後、ヨルダン、オーストラリア、イラクと手ごわい相手との戦いが続く。このステージまで来ると楽な相手は一つもない。この組には現在のアジア王者ニッポンと前回の王者イラクとFIFAランク最強国オーストラリアがそろったわけで、上位2位をめぐる争いは熾烈。
●ただその中で比較すればホームのオマーン戦は勝点3を期待できる試合。埼玉スタジアムで3-0と快勝できたのはシナリオ通りというか、「ここで勝たなかったらいつ勝つの」的な逆背水の陣みたいな試合だったと思う。
●ニッポンの先発はGK:川島-DF:内田(→酒井宏樹)、今野、吉田、長友-MF:遠藤(→細貝)、長谷部-岡崎(→清武)、香川、本田-FW:前田。結局ガンバの二人遠藤と今野を戻して、ザッケローニのベストメンバーがそろった。攻撃的で、ボールがよく回る。トップは前田遼一。もっとも決定力のある選手で、しかも足元がしっかりしているので前線でもボールが収まる。オフ・ザ・ボールの動きも吉。香川は一段と切れ味が鋭くなってて、完全に欧州トップレベルのプレイ。今やブンデスリーガを代表するスター、来季はマンチェスター・ユナイテッド行き濃厚。ただ、それでも選手たちは本田を見ているし、頼っている。中盤を支配するのは本田。遠藤はいつになくミスが多く、細貝との世代交代を予感させる。
●香川と前田、長友のコンビから左サイドを崩して本田のボレーで決まった先制点は美しすぎる。2点目も好き。前田のボールを引き出す動きを見て香川がパス、前田はトラップにミスしながらも泥臭くゴールに押し込んだ……思い切りオフサイドだったけど。もっとも前半にオンサイドと思われるゴールを取り消されているか。線審に不安定感はあったが、主審の笛は問題なし。アウェイも無事だといいのだが。3点目は岡崎。
●なにしろ相手にほとんどチャンスどころか攻撃機を与えていなかったので、最終予選とは思えないほどの好スタートになった。次は8日、ホームのヨルダン戦、12日はアウェイでオーストラリア戦。この中三日で移動ありのアウェイが辛い。ただ、日程を見ていると、上手くコントロールされているなという気もする。勝つべき試合をなるべく条件のいい日程で戦っているというか。先の話だが、最後の2戦、来年6/4のホームのオーストラリア戦、6/11のアウェイのイラク戦が非常に厳しいので、今回の最終予選は基本的に先行逃げ切りのイメージでプランが立てられていると思う。
June 4, 2012