June 11, 2012

テレビと格闘しつつ、週末は東響とN響

●EURO2012開催中。今回はポーランドとウクライナの共同開催。2年に1度、この時期はワールドカップかEUROのどちらかが開催されているわけで、サッカー・ファンは時差だとか不測の結果バレとか寝不足だとかいろんなものと戦うことになる。
●しかしEURO2012の話はまた明日にでもすることにして、週末のコンサートから。9日(土)はゾルターン・コチシュ指揮東京交響楽団(サントリーホール)。R・シュトラウスの交響詩「マクベス」、弾き振りでモーツァルトのピアノ協奏曲第17番ト長調、バルトークの管弦楽のための協奏曲というバラエティ豊かなプログラム。あまり演奏機会のない「マクベス」だけど、若者の鬱屈した情念がグチグチと噴出していて堪能。傑作だと思う。オケの響きもすばらしい。弾き振りモーツァルトは弦楽器をうんと絞った小編成で、ほとんど室内楽。こんなときはホールの豊かな残響が少し恨めしい。バルトークは楽章間の切れ目なしで緊張感を切らさずに一気に。
●10日(日)はアシュケナージ指揮N響、ソリストにラデク・バボラーク。週末の原宿駅を降りると、いつものように「フリーハグ」を掲げた若者が。今日は女性もいた。人懐こい笑顔で道行く人に気さくに「フリーハグ!」と声をかける姿を見て戦慄する。スティーヴン・キングの小説に出てくるピエロのように怖いと感じる己の心は曇っている。ホール前がタイ飯屋台やケバブ屋でにぎわうなか、ホールへ。バボラークによるグリエールのホルン協奏曲は、期待通りの美しさ。まろやかな響きに陶然。技巧を微塵も意識させない自在さ。ホルンという楽器に対する概念を変えてしまう。客席もいつになく沸いてブラボー多数。アンコール2曲。後半、チャイコフスキーの交響曲第4番。触発されたかのように冒頭ホルンからよく鳴る力演。17時過ぎに終演して外に出ると、屋台が間もなく店仕舞いモードへ入る風。駅前フリーハグの人々もすでにいない。
●原宿駅からNHKホールあるいは白寿ホールに歩くときは、代々木公園のバラ園に寄るべき。たくさんの種類のバラが咲いている。バラは安全。触らなければ。

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