●B組「死のグループ」第3戦。今回の順位決定レギュレーションの煩雑さとおもしろさを同時に味わった。このグループ、勝点6で上位3チームが並ぶ可能性もあったし、勝点3で下位3チームが並ぶ可能性もあった。
●後のないオランダは最低でも2点差で勝つ必要があった。最初から攻撃的な布陣でポルトガルと戦う。フンテラールを先発起用、ファン・ボメルやハイティンハはベンチへ。ポルトガルも守り勝つようなチームではないので、攻め合いになった。序盤、オランダのファン・デル・ファールトが狙いすました美しいミドルで先制。しかしすぐにスルーパスに抜け出たクリスチャーノ・ロナウドが同点ゴール。この間に、もう一方のデンマークvsドイツはドイツが先制し、さらにデンマークが追いつくという激しい展開。前半28分の時点で、すでに両方の試合が1-1になっていた。そのまま後半へ。
●この時点では勝点ドイツ7、デンマーク4、ポルトガル4、オランダ1の見込み。デンマークとポルトガルは当該チームの対戦でポルトガルが勝っているので、ドイツとポルトガルが勝ち抜け。オランダもデンマークも後半は攻めなければいけない。
●ところが後半29分、ふたたびクリスチャーノ・ロナウドのゴールが決まりポルトガルが逆転、2-1に。こうなるとオランダはあとわずかな時間に3点が必要になり内心では膝をついていたと思う。この時点で勝点はどうなったか。ドイツ7、デンマーク4、ポルトガル6、オランダ0。やっぱりドイツとポルトガルが勝ち抜けだから、なにも変わってない? いやいや、そうとも言えないんである。確かにそのまま終わればそうだが、ここで仮にデンマークが次のゴールを決めてドイツに2-1で勝ったらどうなるか。その場合は、ドイツ6、デンマーク6、ポルトガル6、オランダ0となる。ドイツ、デンマーク、ポルトガルは当該3チームの成績(つまりオランダ戦以外の成績)が三つ巴になり、得失点差も同じになる。その場合当該3チームでの総得点を競う。ドイツ2、デンマーク4、ポルトガル3。なんと、ドイツが敗退し、デンマークが1位勝ち抜けになるという、ドイツにとってはまさかの緊迫した状況になったのだ(ワタシのレギュレーションの理解が正しければ)。
●この後半29分から次のゴールが生まれるまでのジリジリした6分間が最高に盛り上がった時間帯だった(これでドイツが落ちたらどうよ?)。が、後半35分にドイツがゴールを決め(デンマークではなかった!)、ドイツが逃げ切った。終わってみれば、勝点ドイツ9、デンマーク3、ポルトガル6、オランダ0。シンプルに勝点だけでドイツとポルトガルが決勝トーナメントに進出。チームワークを欠いたオランダは自滅して3連敗。
●予想。この時点で賭けるなら優勝はポルトガル。決勝はポルトガルvsドイツ。あるいはオッズによってはチェコ優勝でも可。
June 19, 2012