●C組の第3戦。このグループはアイルランドの脱落がすでに決まっていたので、勝ち抜け条件は比較的シンプルだった。イタリアvsアイルランドはきっとイタリアが勝つだろう(実際、カッサーノとバロテッリの悪童コンビのゴールで勝った)。問題はクロアチアvsスペイン。勝ったほうが勝ち抜けるわけだが、もし2-2以上のゴール数で引き分けると、めでたくクロアチアとスペインの両者が勝ち進める。試合前、イタリア・メディアには「談合をするんじゃないか」みたいな声があったとか言うが、そんなのできるわけないじゃないすか、2-2なんて。大体そういうのが得意だとすればイタリアのほうでは……。とはいえ、自然な流れで2-2になってしまったら、その後は両者ぐっとペースダウンする可能性はある。
●が、試合が始まってみるとスペインの動きが重い。相変わらずテクニックはあるのだが、小さなパスがつながっているだけで、すっかり攻撃のダイナミズムを欠く。フェルナンド・トーレスをトップに入れ、途中から交代してノートップ状態になっていたが、どちらにせよ迫力を欠き、しかもあまり楽しくもない。クロアチアのカウンターアタックのほうがずっと躍動感がある。クロアチアは全力でぶつかる魂のフットボール。しかももともと技術はあるので、たびたびスペイン・ディフェンスを混乱に陥れた。
●でも途中出場のヘスス・ナバスがゴールを決めてスペインが勝ってしまったんである。セスクの浮き球のパスから、イニエスタが抜け出て、これを無人の中央に横バスしてヘスス・ナバスは触るだけでOKというゴール(あそこに立っていればあなたでもワタシでもゴールを決められた!)。セスクのパスはオフサイドだと思ったが? 最後、クロアチアは走り疲れてヘトヘトだった。でもクロアチアのほうが試合内容では勝っていたと思う。
●スペインでもこんな日があるのか。ともあれ1位スペイン、2位イタリアはまるで予定調和。クロアチアが落ちたのは惜しい。
June 20, 2012