●昨日、二期会の「カヴァレリア・ルスティカーナ」&「パリアッチ(道化師)」公演(7月13日~16日、東京文化会館)の通し稽古を見学。演出は田尾下哲、指揮はパオロ・カリニャーニ。歌手はダブルキャストで、この日は14&16日組。写真のように(元)体育館での稽古で、装置や衣装はほとんどわからないのだが、演出の田尾下氏が見学に先立ってプレトークをしてくださり、コンセプトはかなり伝わった。
●舞台設定としては「カヴァレリア・ルスティカーナ」はオリジナルそのまま、一方「パリアッチ」は1960年代のシチリアという設定になっている。で、この「パリアッチ」演出は秀逸! どの程度まで事前のネタバレが許されるものか悩むところだが、やはり何も知らずに見たほうがおもしろいと思うので詳細は控えるとして、例の「前口上」の場面でなるほどと膝を打つことになるはず。アイディアばかりが先行する読み替えではなく、もともとのドラマにより明快に筋を通し、なおかつ物語に現代的なリアリティを回復させるためのものとして、作品本来の意図に寄り添った演出になると思う。オリジナルでは書き割りみたいなキャラのシルヴィオにも納得できる役柄が与えられていて、「なぜネッダにとってシルヴィオなのか」が、はっきりわかる。あと、ネッダ役の髙橋絵理さんがすばらしい。歌も演技も。
July 3, 2012