●さて、以前にニッポンが王座に就いて以来、たびたび話題にした「非公式サッカー世界王者」(UFWC)であるが、その後の行方についてはとんと耳にする機会がなかった。2010年10月にニッポンがアルゼンチンを破って以来、15戦に渡ってニッポンがタイトルを防衛していたが、2011年11月の平壌でのよくわからない試合によって、チャンピオンベルトは北朝鮮のものとなった。
●「非公式世界王者ってなんのこと?」っていう方に一言で説明すると、ボクシングのタイトルマッチみたいに有史以来の代表戦について「勝ったほうがチャンピオン」というシンプルなルールを適用したら、今どこが王者かっていう仮想的タイトル(引き分けた場合は王者防衛だ)。
●で、その後、北朝鮮が勝ち取った王座はどうなっているかというと、実はまだ彼らがタイトルを保持している(なんと!)。「試合をしていないから」ではない。意外と試合はしている。ニッポン戦以後の防衛の記録はこうだ。
12年2月 北朝鮮 1-1 クウェート
12年2月 タジキスタン 1-1 北朝鮮
12年3月 北朝鮮 2-0 フィリピン
12年3月 タジキスタン 0-2 北朝鮮
12年3月 北朝鮮 4-0 インド
12年3月 北朝鮮 2-0 パレスチナ
12年3月 トルクメニスタン 1-2 北朝鮮
●3月にたくさん試合をしているのは、AFCチャレンジカップというアジア下位のチームを対象にした公式戦があったから。で、以来試合がないのだが、今後10月にイランvs北朝鮮のフレンドリーマッチが組まれたので、ここでタイトルが動く可能性がある。もちろんそれまでに試合が組まれる可能性もあるので、このイランvs北朝鮮がタイトルマッチになるかどうかは定かではない。
●しかしUFWCがアジアの手に渡って以来、どんどんタイトルが奥地のほう(?)に入っていって、中継もされなければ報道されるかどうかも心配なくらいの山奥に分け入っている感あり。FIFA加盟国で戦う以上は「行方を見失いました」ってことにはならないとは信じているが。