August 3, 2012

グレート・ブリテンU23と五輪代表

グレート・ブリテン●フットボール界から見ると、今回のオリンピックはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの共同開催みたいなものであって、開催国枠をどうするのかということが最初から問題になっていた。なにしろサッカーには「イギリス代表」という概念は存在しない。当初、スコットランドやウェールズのサッカー協会は、合同チームの結成に反発していたようで、一時はイングランド代表をイギリス代表として出場させることになりそうにも見えた。が、オリンピック委員会の反発もあり、結局イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの合同チームとしてグレート・ブリテンU23が結成されることになった。
●こうして誕生したグレート・ブリテンU-23(イギリスU23)だが、選ばれた選手18名を見ると、イングランドから13名、ウェールズから5名(オーバーエイジ枠のギグスとベラミーを含む)という構成になっている。日本人的な感覚からすると、アリバイ的にでもスコットランドと北アイルランドの選手を1名ずつでも入れておかないと落ち着かない気もするんだが(だってこれじゃイングランド&ウェールズ合同チームだし)、いろんな事情があるんだろう。
●チーム自体は快調で、グレート・ブリテンU23はグループAを首位通過。試合前の国歌は「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」が歌われている。外国人サッカー・ファンからすると、ロンドンで開催されるんだから地元イングランドU23を出場させればよかったんじゃないかって気もする。その代わり、将来グラスゴー五輪とかエディンバラ五輪が開催されたら、開催国枠はスコットランドU23が得る、ということにして。合同チームはなんだか味気ない。
●こういう齟齬が生じるのも、オリンピックはFIFAの大会じゃないからなんすよね。そもそもオリンピックにサッカーは不要だと思っているファンは多いはず。FIFAとしても選手にはオリンピックなんかに出ずに、貴重なシーズンオフを休むなり、すでに始まっている欧州リーグの予選に出場するなりしてほしいが、オリンピック側はスターに出場してほしい。そこで「23歳以下+オーバーエイジ3人」という妥協案が生まれたわけだが、これはかなりオリンピック寄りの妥協だろう。もっと厳しく、20歳以下の大会だったらいいんじゃないかと思うが、そうなるとワールドユースと区別がつかなくなる。
●で、思ったんだが、年齢制限を逆にしてはどうだろう。オリンピックは32歳以上の大会にする。イングランドO32とかブラジルO32を編成する。これなら各クラブは戦力ダウンに悩まなくて済むし、一方でオリンピックには大量のスター選手が出場する。ベッカムもロナウジーニョもロベルト・カルロスも出場する。ジダンとかロナウドも復帰するかもしれない。ニッポンからはカズとか小野伸二とか中村俊輔が出る。盛り上がる、かもしれない。
●夏場なので全員O32では走れないかもしれない。その場合はアンダーエイジ枠を3名までということで(←なんだかオッサンの草サッカーっぽい)。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「ニッポンU23vsホンジュラスU23@ロンドン・オリンピック」です。

次の記事は「ニッポンU23vsエジプトU23@ロンドン・オリンピック」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ