August 8, 2012

メキシコU23vsニッポンU23@ロンドン・オリンピック

メキシコ●このチームがオリンピックの準決勝まで勝ち進むことを予想していた人は少なかったはず。で、勝てばおそらくブラジルと決勝を戦えるメキシコU23vsニッポンU23。負傷が心配された永井も先発、本来のメンバーがそろった。GK:権田-DF:酒井宏樹、鈴木大輔、吉田、徳永悠平-MF:山口、扇原、東-FW:永井、清武、大津。
●序盤はニッポンが試合をコントロールしていた。ボールもよく回る。前半12分、相手ゴール前でのパス回しから大津が右足を振りぬいてゴール隅に突き刺さる目の覚めるようなシュート。お互いに前線から守備をしてラインを高く保ちながらパスを回すスタイルなので、試合がかみ合う。ハイレベルな見ごたえのある試合になり、ウェンブリーのお客さんも楽しめたのでは。前半31分にメキシコのコーナーキックから、ニアのボールをすらされて、ファビアンの頭にどんぴしゃで合って同点ゴールを奪われる。徐々にメキシコの動きがよくなってきた。
●後半頭からメキシコはエース格のドス・サントスを下げて、高さのあるR・ヒメネス投入。メキシコはポゼッションで優位に立つが、ニッポンの攻撃陣もチャンスは作っていた。しかし後半20分、痛いミスが。キーパーの権田が目の前の扇原にスローするが、扇原がパスの出しどころを見つけられずもたつく間にボールを奪われ、ペラルタが豪快なミドルシュートを決めて逆転。もっとも見たくない失点パターンの一つ。むしろニッポンの永井あたりに期待していたプレイでもあるが、逆にやられてしまった。しかしあのシュートもすごい。
●ここからニッポンは規律が崩壊してパニックへ。焦りのためにパスミスや無用なロングボールが増えて、自らボールを失うことが一気に増えた。運動量も相手より劣るようになり、東→杉本、清武→宇佐美、扇原→齋藤学と次々と交代選手を入れたが、代わって入った選手たちがほとんど持ち味を発揮できず、チームのパフォーマンスはさらに低下。終盤、吉田を上げてパワープレイに出たが、最後列から放り込んでもチャンスになる確率はかなり低い。ロスタイムにカウンターを食らって、コルテスがドリブル突破から追加点。このあたり、メキシコのクォリティの高さを感じる。3-1でメキシコが勝利。ミスがきっかけで逆転されたのは惜しいが、相手のほうが一枚上手だった。トルシエが率いた黄金世代のワールドユース以来の決勝進出はならず。
●敗退したのだからこれでおしまいとなるべきだと思うんだが、まだ3位決定戦がある。ワールドカップと違って、オリンピックは3位に入るとメダルがもらえるという方式を採用していて、3位と4位では大違いということになるのだが、敗退した後にまだ試合があるということに激しく違和感を感じる。しかもこんな日程で。サッカーに3位決定戦は不要だろう。どうせだれも見ない。……わけないか。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「マラソンコースを走る」です。

次の記事は「オリンピック2周目」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ