●3位決定戦はまさかの日韓戦。はるばるヨーロッパに武者修行に旅したら、お隣さんにばったり会ってしまい、「じゃ、いつものアレ、やりますかね」ってな感じで。いや、別にイギリスまで来ていつものメンツでやらなくても。主審もウズベキスタン人で(この方は優秀)、「アジアの戦い」欧州出張版。カーディフにつめかけた現地フットボール・ファンのみなさんは、中二日の連続の無茶日程の果てに最後にこんな肉弾戦をしていて、東アジアの銅メダルへの執念恐るべしと思ったかもしれないが、えっと、いつもこんな感じで削り合ってます!
●すでに敗退したチーム同士が戦う3位決定戦。陸上競技や水泳みたいに記録を争ったり集団でレースを走ったりするようなものなら、トップ3というのは意味のある区切りだと思うが、トーナメント形式でわざわざ3位と4位を決める意味がわからない。3決で肉弾戦やってケガでもされたらたまらない。メダルの都合があるなら両者銅メダルにするなり、サッカーは銀メダルまでにするなりして、敗退した国の選手は早くクラブに返してほしい。
●ニッポンは前の試合と同じ先発をそろえてきた。せめて控え選手を先発させてなにか収穫を得られればとも期待したが、それで負けた場合につまらない批判が出てくることも容易に想像できる。韓国は全身全霊を傾けてファイトした。序盤からニッポンがゲームを支配し、ピッチ・コンディションがひどい割りにボールも回せていたが、前半38分、10番のパク・チュヨンがすばらしいゴールを決めた。ニッポンのディフェンス3人くらいを相手に強引に突破してシュート。後半13分には鈴木を振り切ったク・ジャチョルがゴールを決めて2-0。韓国の当たりの強さと決定力は大したもの。コンディションはお互い悪かったはずだが、ハイテンションの試合になった。ニッポンは宇佐美や杉本といった交代選手たちが今回も目立った活躍ができなかったのが惜しい。
●結果的に負けたのは残念。とはいえ内容でやられたという感じはない。韓国の選手たちはこの試合に勝てば兵役免除という大きな報奨があったそうで、かなり荒っぽい試合になっていたが、それでもニッポンの選手はあれくらいはできるんだなと思うとむしろ感心。ベスト4は立派の一語に尽きる。
●オリンピックはU23の大会。終わってみるとやっぱりフル代表でプレイしている清武のクォリティは高かったなと思う。このチームから新たにフル代表に定着する選手が出てきますように。
August 12, 2012