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August 16, 2012

IOCのオフィシャル・オリンピック・チャンネル

テレビ●あっという間に過ぎ去ったロンドン・オリンピック。ハイペースにどんどんとスケジュールが消化された。見逃した競技を見たいという方は、YouTubeにある Official Olympic Channel by the IOC へ行くが吉。全競技のアーカイブを見ることができる。音声は英語、スペイン語、場内音声のみの3種類から選択可(場内音声のことを「自然な音」と訳してあるのが機械翻訳っぽい)。
●なんか、スゴいすよね、この感覚。オリンピックはテレビの放映権料があってはじめて成立し得るものである一方、あの権利にうるさいオリンピックですらYouTubeにオフィシャル・チャンネルを作って無料でアーカイブを公開する時代になった、と。隔世の感。大会中もNHKが自らテレビ中継のない競技をネットでライブ配信していた。
●オリンピックにしてもハリウッド映画にしてもオペラにしても、かつてテレビで見ていたものをネットを通して見る機会がどんどん増えてきた。だからこそテレビはテレビにしか提供できないものを提供するしかないわけで、民放のスポーツ中継にはテレビタレントが囃し立てる「外枠」が必要になるのがよくわかる。
●もう一つ、このIOCのアーカイブには日本語音声はないけど「場内音声」はある。どんな競技でも生で観戦すればそこにはアナウンサーも解説者もおらず、本来スポーツは「場内音声」のみで観るものであるはず。なぜ画面を通して見るとアナウンサーが必要になるのだろう。カメラに収められていない一角で起きた出来事を知るため? それとも本当は不要なのに習慣付けられているだけ? ネット配信はテレビの作法を問い直す。