●3日は日本フィル「山田和樹コンチェルト シリーズVol.1」(サントリーホール)。小山実稚恵を独奏者に招いた協奏曲を中心としたプログラム。前半にラヴェルの両手&左手のためのピアノ協奏曲、後半にサン=サーンスの交響詩「死の舞踏」とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。一晩で3曲分の協奏曲という恐るべきコンチェルト密度。この企画はいいかも。普段の定期演奏会だと「協奏曲」枠って主役のような脇役のような微妙な中途半端さを感じることもあるので。
●それにしても前半でラヴェルの「両手」と「片手」が聴けてしまうなんて。小山実稚恵さんのピアノは磐石。最後のラフマニノフはすばらしい高揚感。アンコールにふたたび有名な第18変奏。アンコールはこういうのがいいすよね。
●開演前に指揮者の山田和樹さんによるプレトークあり。一人で登場して入退場のあるざわついた中でしゃべる「孤独な一人語り」方式で、開演15分前終了。途中から聞いた限りでは、今回のシリーズの企画意図や小山さんとの共演について、「死の舞踏」と「パガニーニ狂詩曲」の「怒りの日」つながりといった選曲意図について話されていた模様。
●「パガニーニ狂詩曲」の終わりのほうから、会場内に妙な持続音がずっと流れていたみたいで、アンコールを始めようとしても止まず、山田さんが会場に向いて「これ、なんでしょうね?」みたいな感じになって、ようやく止まった。鳥の鳴き声のアラーム音? ギルバート&ニューヨーク・フィルみたいにマーラー9番じゃなかったのは救い。
●Vol.2以降の内容はまだ発表されていないみたいだけど、また違ったアイディアがあるようで楽しみ。
September 4, 2012