September 13, 2012

もはや残暑ではない

夏は終わらない、いつまでも●9月も気がつけばもう半ば。天気予報によれば東京の今日の最高気温は33度、明日は32度。週間予報を見ても30度を下回る日は一日もない。なんだか近年は夏がどんどん長くなってきて、秋が一瞬で終わっているような気がする。雨もあまり降らない。J.G.バラードの破滅小説「燃える世界」みたいになってしまうのではないだろうか、と汗だくになりながら思う。でもあれってどんな話だったっけ? バラードの「破滅三部作」は再読するには古びているかもしれない。オペラの新演出みたいに、新しい現代的なバージョンを第三者が再創造できるといいのに。
●灼熱モノの映画で思い出すのは「キング・イズ・アライヴ」(クリスチャン・レヴリング監督)。砂漠の灼熱地獄で極限状態に陥った男女が、シェイクスピアの「リア王」を演ずるというのがスゴい。なんつったってリア王すよ。リアルに王、略してリア王(違う)。傑作。
●灼熱モノのオペラっていうと、なんすかね。「ワルキューレ」の火の山? でもあれはブリュンヒルデもだれも暑がってないように見える。あの人たち、人間じゃないし。少しは「アチッ!」とか言ってほしい。「マノン・レスコー」は最後に二人でアメリカの荒野をさまよって、水もなくて、マノンが野垂れ死にする。暑そうだ。しかし寒くてもやっぱり野垂れ死にすることには違いはなかっただろう。デ・グリューとマノンには水筒と弁当を持参してほしかった。

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