●27日、東京オペラシティの近江楽堂でチパンゴ・コンソートの「コレッリシリーズvol.3 安らぎの歌」へ。コレッリのソナタを中心に、モンテヴェルディ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィターリ、ロニョーニらの作品。前回に続いて杉田せつ子さんのヴァイオリン、懸田貴嗣さんのチェロに、今回はアーチリュート高本一郎さんが加わり、さらにソプラノ阿部早希子さんが招かれて、いっそう多彩なプログラムになっていった。コレッリらの晴朗な音楽がもたらす満ち足りた愉悦と、狭い近江楽堂にあふれる静かな熱気を味わうあっという間の2時間。随所にバランスよくトークも挟まれて、親密な雰囲気が醸しだされていたのも吉。次回「コレッリシリーズ Vol.4 〜La folia フォリア!〜」は12/20(木)に西山まりえさんを招いて開かれるそう。
●懸田貴嗣さんは新譜「ランゼッティ チェロ・ソナタ集」がコジマ録音からリリースされたばかり。え、ランゼッティ……って誰?と思うわけだが、1710年頃ナポリ生まれの最初期のチェロのヴィルトゥオーゾなんだとか。今回収録された「12のソナタ」作品1からの6曲中4曲は世界初録音とされている。それぞれ変化に富んだ表情豊かな作品で、特におしまいの第6番が楽しい。愛らしさ、茶目っ気、熱狂、メランコリーが一体となった名作。
September 28, 2012