●Amazonから電子書籍リーダーKindleが発売。出る出ると言いながらも、一向に出てこなかった電子書籍の本命がついに。正直言ってこれまでの電子書籍リーダーにはまったく関心が向かなかったが、それというのもKindleが出ないと実質なにも始まらないだろうと思っていたから。とはいえ、喜び半分、がっかり半分というのが今の気分。
●発売されたKindleは四種類。電子書籍リーダーとしては、3G回線付きのKindle Paperwhite 3Gと、Wi-Fi環境で使うKindle Paperwhiteがある。前者の3G回線付きというのは、月額支払いが生じないというのがミソで、通信費も端末に込みになっている。重量200g強。バッテリーも8週間もつというのなら(話半分でも4週間だ)日々の充電という儀式にこれ以上煩わされることもなく、すばらしい。
●一方、Kindle Fireのほうは7インチディスプレイを搭載するタブレット端末。メールやFacebookやTwitterもできるし、Amazonコンテンツはクラウド上に無制限に保存できる……といっても、これは3G回線は使えないのでWi-Fi環境が必要。外出するとなると、公衆無線LANなりテザリング用端末なりモバイルルータなりがないとどうにもならない。だったらスマホを使っている人がさらに別途これを持つ理由はあんまりなさそうな気もするけどどうなんすかね。バッテリーも連続8.5~11時間で、充電がメンドくさそう。重量も400g程度ある。ただ、他のタブレット端末よりずっと安価なので、行動範囲におおむねWi-Fi環境があるならありうる選択肢か。
●が、最大の問題はこれ。C-NET Japanによれば「日本語の電子書籍は1万5000を超えるコミックと名作などの無料タイトル1万以上を含む、総計5万以上の規模」という。えーと、つまりコミックでもなく、青空文庫でもないものは2万5千冊あるかどうかということ?(ちなみに洋書は140万冊だ)。欲しい本が探してもほとんど見つからないということもありうる、というか既存の電子書籍サイトと同じタイトルがあるだけなのかも。
●ただ、Kindleが実際に発売されたことで、急激に出版界が動き出すっていう可能性はあるかもしれない(し、ないかもしれない)。なんともいえないが、目の離せない状況にはなった。持ち歩くカバンを軽くするために。本棚を少しでも身軽にするために。
October 25, 2012