●8日はトッパンホールでジャン=ギアン・ケラスのチェロとベルリン古楽アカデミーによるヴィヴァルディ中心のプログラム。スタイルが大きく異なる両者がどうして組み合わさることになったのかはよくわかっていないんだけど、それぞれ非常にクォリティの高い演奏を聴かせてくれた。ベルリン古楽アカデミーのみで演奏している時間と、ケラスが加わってチェロ協奏曲を演奏している時間とで、別の時間が流れているような「一粒で二度おいしい」状態。格調高い辛口ヴィヴァルディに、ケラスが艶やかさを添えた。
●7日はNHKホールでデュトワ&N響。ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」、リストのピアノ協奏曲第2番(独奏はルイ・ロルティ)と来て、後半にレスピーギのローマ三部作「ローマの祭」「ローマの噴水」「ローマの松」を一挙演奏するというローマ特盛りプログラム。ローマ三部作は間に少し拍手が入ったものの、デュトワは指揮台に立ったまま次の曲に進み、あたかも一曲の大作交響詩を振るかのよう。交響詩が合体して一つの交響詩になるメガ交響詩。バンダもオルガンもチェレスタもナイチンゲールの鳴き声も(天井から聞こえてきた。チリチリとLPの針音が聞こえた気がするんだけど?)総出演する一大スペクタクルで、あの巨大なNHKホールが音響で飽和した。もちろん大喝采。
●「ローマの松」「ローマの竹」「ローマの梅」のローマ三部作はどうか。三管編成、二管編成、一管編成とだんだん編成が簡素になっていくとか。
December 10, 2012