●20日は近江楽堂(オペラシティ内)でチパンゴ・コンソートのコレッリシリーズvol4「ラ・フォリア」。ウッチェリーニ、カステッロ、フレスコバルディ、ガブリエッリ(懸田さんの無伴奏チェロ!)らの作品をさしはさみながら、コレッリの名作であるソナタ作品5をシリーズで完奏。最後は「ラ・フォリア」で華やかに掉尾を飾った。チパンゴ・コンソートは杉田せつ子さんのヴァイオリン、懸田貴嗣さんのチェロに、今回はバロック・ハープの西山まりえさんが参加。チェンバロ、リュート、ハープと回によって通奏低音を担う楽器が入れ替わる趣向になっている。近江楽堂はとても小さな空間で、いつも高い天井から残響が客席に降り注ぐような感覚があるんだけど、今回はバロック・ハープのいっそう豊かな響きに包まれることができた。シリーズ最終回にふさわしくヴァイオリン、チェロともども出色のコレッリ、冬晴れの蒼天を思わす爽快さにすっかり満ち足りた気分に。
●来年コレッリの没後300周年なんすよね。しかしワタシは今年、チパンゴ・コンソートのコレッリで没後299周年を大々的に祝した気がする。そういえば、今年生誕199周年のワーグナーも二期会「パルジファル」とかデ・ワールト&N響「ワルキューレ」第1幕、マゼール&N響「言葉のない指環」、スクロヴァチェフスキ&読響のデ・フリーヘル版「トリスタンとイゾルデ」等で、十分に祝った。同じくヴェルディ生誕199周年も上岡&新日本フィルの「レクイエム」があったし、ブリテン生誕99周年に関しては新国立劇場「ピーター・グライムズ」がハイライトになってくれた……来年はだれを祝えばいいのやら?
December 21, 2012