●一昨日のLFJの記者発表の日の夜、東京国際フォーラムの同じ会場でルネ・マルタンのクラシック・ソムリエ・サロンが開催された。これは一般向け公開イベントで、350人くらいが入れるんだけど、それでも抽選になってしまうという大人気企画。マルタンさんが今年の音楽祭のテーマについて紹介した後、次々と曲を流しながらその魅力などについて自然体で語る。
●で、どんな曲をかけたかというと、まず最初にサン=サーンスの「ハバネラ」。冒頭のメロディを聴いて「これを聴くと、いかにもフランスだなあと感じる。空気感がフランスのエスプリそのもの」と。同様の例としてサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」も。で、続いて「もろにスペインっぽい」曲として、シャブリエの「ハバネラ」をかけた。もろフランスももろスペインも「ハバネラ」だったという(笑)。
●そこからロドリーゴ、サティ、アーン、デュリュフレ、ケクラン、ジャン・クラ(クラス)と来て、またサン=サーンスに戻った。ドビュッシーやラヴェルが出てこなかったのは時間がなくなったためか、もとよりそのつもりなのかはわからず。
●ケクランの「ラメント」というホルンを含む室内楽曲について。「CDで知ってすばらしい作品だからこれをぜひプログラムに含めたいと思っていたんだけど、楽譜がない。フランスのケクランの権威とされる音楽学者に問い合わせたら、『そんな曲はない。編曲作品では?』といわれた。それでオーストリアの音楽学者に尋ねたら、ケクランの遺族が手稿譜を見つけ出してくれることになって、それがナントの開幕7日前にやっと届いた。フランスでもそんな具合だから、おそらくこれは日本初演のはず」と。
●ちなみにマルタンさんはケクランを「コクラン」、ジャン・クラを「ジャン・クラス」と発音してました。
February 14, 2013