●22日はアークヒルズクラブにて第61回尾高賞贈呈式。第61回尾高賞は野平一郎「彼方、そして傍らに〜ハープと室内オーケストラのための」(2012/10/22 東京オペラシティにて世界初演)に決定。野平氏の受賞は96年に続いて二度目。受賞作について野平さんは「2つの出会いがあって生まれた作品。ひとつはハーピストの篠﨑史子さんとの出会い。篠﨑さんの現代作品への、またハープのためのレパートリーを構築したいという熱意から生まれた。もう一つは昨年生誕150周年を迎えたドビュッシーへの追憶。自分にとってドビュッシーはかねてよりモデルであり、音楽に対する考え方から生き方までいまだに触発されるところが大きい。今回の受賞により、ゴールのない作曲という道のりにまた歩みを進める重要なきっかけをいただき感謝している」と語っていた。
●続いて、N響2013/14シーズンについて。すでに発表されているように、指揮者陣はブロムシュテット、ノリントン、サンティ、ソヒエフ、デュトワ、ルイージ、アレクサンドル・ヴェデルニコフ、尾高忠明、マリナー、ヤノフスキ、ネーメ・ヤルヴィ、ガエタノ・デスピノーザ、広上淳一、ヘスス・ロペス・コボス、アシュケナージ。で、そのプログラムについて概要の発表があった。ブロムシュテットはブラームス・チクルス、ノリントンはベートーヴェン・シリーズの続き、サンティは演奏会形式でヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」。デュトワはプーランク「グロリア」&ベルリオーズ「テ・デウム」、ショスタコーヴィチ交響曲第15番他。ファビオ・ルイージはオルフ「カルミナ・ブラーナ」、ブルックナー9番他。ソヒエフはチャイコフスキー第5番、プロコフィエフ第5番他。ネーメ・ヤルヴィのプログラムがおもしろくて、スヴェンセンとシベリウスの両交響曲第2番他や、R・シュトラウスの「祝典前奏曲」「紀元2600年祝典曲」「ヨセフの伝説」が目を引く。
●また、夏にはデュトワの指揮でN響がザルツブルク音楽祭に初出演する。曲目は武満徹「ノヴェンバー・ステップス」、細川俊夫のソプラノとオーケストラのための「嘆き」(音楽祭委嘱作品/世界初演)、ベルリオーズの幻想交響曲。
February 22, 2013