March 9, 2013

ロンドン交響楽団「魔法の冒険」

ロンドン交響楽団「魔法の冒険」●来日中のロンドン交響楽団による「子供たちに贈るスペシャル・コンサート~魔法の冒険」へ(サントリーホール)。主催はソニー音楽財団。いやー、これは感動。企画がよく練られたキッズ・コンサートで、アイディアも本気度もさすがのクォリティ。
●とにかく客席を参加させるのがいい。リズム遊びみたいに手を叩いたり足踏みしたり声を出したりしながら、コンサートが進む。ベートーヴェン「田園」の第4楽章を演奏する前に、オケで実際に音を出してこれが嵐、これが雷……と説明するだけでなく、「手の甲を叩いて雨の音を出してみよう」「次は口で嵐の音を出そう」とかやってから、曲を演奏する。目鱗。
●司会のおねえさんはレイチェル・リーチという若い女性で、子供さばきも見事なんだけど、実は作曲家なんだとか。客席参加型の自作として Inoh' Pokak(イン・オー・ポカク)という曲を持ってきてて、みんなで拍手、足踏み、発声でオケと共演する。キッズも大人も楽しんでた。「Inoh' Pokakというのは意味のない音です」と説明してスタートして、最後はネタばらしというか、この言葉を後ろから読むと「カコフォニー Cacophony」(不快な音)になるという仕掛けなんだけど、さすがにこれは日本人にはわからない(笑)。でもいいの、みんな満足してたから。
●指揮は注目の若手ダーヴィト・アフカム。最後に「ハリー・ポッター」の「ヘドウィグのテーマ」を演奏してくれた。すげー、ロンドン交響楽団の「ハリー・ポッター」、本物だ~的な。
●こういうのを体験すると、単に司会が曲の説明をしてオケが演奏するだけのキッズコンサートがすべて色褪せて見えてしまう。

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