●この週末は大雨は降るわ風は吹くわマリノスは連勝街道を驀進するわブリュッヘンだ東京・春・音楽祭だと諸々イベント集中しすぎだったのだが、やはりニュースとしてはミューザ川崎のリニューアル・オープン・コンサート(7日)。震災による天井仕上げ材等の落下で2年間の休館。当初、復旧までよもや2年もかかるとは思わなかった。その間、東響も「フェスタサマーミューザ」もホームグラウンドを失った形になったわけだけど、別会場での代替開催など、ホールはなくてもいろんな形で公演の継続性が大切にされたことはすごく意味のあることだったと思う。ホールという物理的実体以外に、ミューザ川崎には主催公演というソフトウェアがあったわけだから。
●で、MUZAリニューアル・オープン・コンサート。ユベール・スダーン指揮東響でブルックナーの交響曲第9番+テ・デウム(東響コーラス)。最初にオケのメンバーが入場したときに、もちろん拍手が沸き起こった。客席もみんなやっと再開できたかという感慨に浸ったはず。続いて入魂のブルックナー。テンション高め。壮麗なテ・デウムでリニューアルを祝った。
●とはいえ、この2曲、つなげるのはなかなか難しい。9番のアダージョが終わると、実際には未完で続きがあるはずにもかかわらず、半端なく「セレモニーが終わった」感がある。このまま終わってもいいんじゃないかと思わなくもない。で、ここで曲が終わってすぐに拍手が少し出てしまい、そこから合唱、独唱者の入場でまた拍手があって、テ・デウム開始と少々落ち着かない流れに。9番で「終わり」、テ・デウムで「再開」と区切ったと思えば、今回の趣旨にはこれでいいのかもしれないが。いや違うかな。どうやってもこの2曲はもともとつながらないものなのかも。ああ、ブルックナーが余計なこと?を言ったばかりに。
●新生ミューザの響きは、震災以前とまったく変わらず素直で美しいものだった、というかこれだけのブランクがあって、記憶のなかの音像と比較対照できそうには思えない。ただ美しい響きを持つホールが戻ってきたことに感謝するのみ。
April 8, 2013