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April 29, 2013

インキネン&日フィルのシベリウス367

●26日はインキネン指揮日フィル定期へ(サントリーホール)。以前、記者懇親会の模様を当欄でもご紹介したシベリウス交響曲シリーズの第3弾。6曲の交響曲をインキネン流に3日間に分けて、最終日が第3番、第6番、第7番となったわけだけど、一日選ぶなら断然この日。第6番と第7番はつなげて演奏すると会場内に貼りだされていた。
シベリウス●第6番と第7番はラトル&ベルリン・フィルでも同じようにつなげていたけど、これははやっているんすかね? 同時期に書かれ共通した要素を持つみたいな話があったように思うけど、抵抗のある方も多いかも。でもこの日の演奏会に関しては成功していたと思う。第6番が終わった後、アタッカでつなげるというよりは、指揮棒を構えたまま少し余韻を残してから(ここで誰一人拍手しなかったのはスゴい!)、第7番に入った。
●シベリウスの交響曲って大曲がないんすよね(おっと、クレルヴォは別枠だ)。ブルックナー的な長大な作品で静謐な密儀の雰囲気を醸成することができない。でも第6と第7をつなげれば、それが可能になるんじゃないか……という発想もありうる。この日はオケの仕上がりも後半が断然よく、清冽で爽快な6+7番を楽しんだ。事前にこれまでのシリーズでインキネンの方向性が非民族的/非ロマン的だといろんな人から耳にしていたこともあって、ある意味期待通りの一夜。
●マーラーの交響曲第9番が終わった後でアタッカで第10番を続けるというのはどうだろう。ブルックナーの9番に「テ・デウム」がくっつくのよりはいい気がする。あるいはベートーヴェンの「第九」の後にアタッカで第1番に突入すると、輪廻による魂の不滅が伝わって最強の歓喜が表現できる……わけないか。