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May 13, 2013

尾高忠明&N響オール・イギリス・プロ

●12日は、尾高忠明&N響のオール・イギリス・プロへ(NHKホール)。エルガー序曲「フロアサール」、ディーリアスの「村のロメオとジュリエット」から間奏曲「天国への道」、ヴォーン・ウィリアムズのテューバ協奏曲、休憩をはさんでウォルトンの交響曲第1番。
●前日11日の公演は代々木公園のゾンビウォークと重なってたらしいんすよ。惜しい、11日だったらゾンビも見れたのに!(ら抜き)と地団駄を踏んでみたが、好天に恵まれた12日の原宿は駅から猛烈な人ごみで大混雑。駅近辺が人で埋め尽くされてところどころ一歩も前に進めない大渋滞で、これじゃゾンビも歩けない。さらにNHKホール前の通りはタイ・フェスティバルで大賑わい。シンハーとタイカレーを持って歩く若者たち。食欲をそそるトムヤンクンにパッタイ。スパイシーな香りを全身に浴びて英国音楽に備える。
●エルガー「フロアサール」は作品19、1890年作曲の初期作品(といってももう作曲者33歳だが)。なんという輝かしさ、気高さ。すでにエルガーはエルガーだったのだと痛感し、圧倒される。高貴である。タイカレーにヨダレを垂らしている自分が申しわけないくらいに。
walton.jpg●どれも聴きものだがインパクトの強さでは、なんといってもウォルトンの交響曲第1番。1930年代にこれほど力強く肯定的な交響曲が書かれたとは。シベリウスの比ではない。明快なドラマ性、ヒロイックな楽想、咆哮するブラスセクション。超ベートーヴェン的な20世紀のシンフォニー。中二病がぶり返してきそうなくらいカッコいい。第1楽章の終結部なんて身震いする。熱演。
●ホールから出ると、依然としてタイフェスが盛り上がっている。ほぼ同じ場所で繰り広げられる異質な饗宴。なんとなくそのままタイフェスにまぎれこみ、行列の短そうな店でパッタイを買って立ち食い。うまい。が、ウォルトンは満腹感でタイフェスを凌駕していた。