●ラザール・ベルマンが弾くリスト「巡礼の年」のCDが急遽国内盤で再発売された。店頭入荷日の5月14日のオリコン・アルバム・デイリーランキングでは初登場で総合11位まで来たとか(J-POPも含む全ジャンルでの順位。クラシックではもちろん1位だ)。まさかの復活。初回1万枚の異例の出荷枚数。
●村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」でこの録音が登場したことから、国内盤在庫も輸入盤も突然売れ出して在庫がなくなり、今回再発売されることに。前作「1Q84」でヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が売れまくったときも思ったけど、これは本当にスゴい。だって、小説中に登場したんすよ?映画とかドラマとかCMと違って、曲は聞こえない。でもみんな聴きたくなる。いや、むしろ聞こえないからいいのかも。恐るべし、言葉の喚起力。
●しかし「品切れ」とか「廃盤」って今にして思うとCD時代までの不条理って気がする。音楽も解説書もデジタルデータなのに。品切になるのは中身の音楽じゃなくて、ポリカーボネートの円盤や付属印刷物なんすよね。音源はいくら複製してもなくならないもの。
May 17, 2013