●24日は岡田博美のアルベニス「イベリア」全曲(トッパンホール)。今年、LFJでルイス・フェルナンド・ペレスのアルベニス「イベリア」を聴き損ねて悔しい思いをしたが、この日の岡田博美で溜飲を下げた。最高にカッコいい。
●「イベリア」の特に好きなところは第3巻の華麗な「エル・ポロ」から「ラバピエス」の流れ、第2巻の「ロンデーニャ」冒頭のかわいくてほっとするところ、「トゥリアーナ」のスカした終わり方。第1巻、第2巻、休憩を入れて第3巻、第4巻と演奏されたんだけど、進むにつれて躍動感と闊達さを増し、この眩暈のするような大作を弾き切った。アンコールは「ナバラ」。「一般的にはセヴラックの補筆で演奏されるわけですが、セヴラックは消極的で盛り上がりに欠けるので、私が補筆しました」と言って岡田版が演奏された。そして「タンゴ」でおしまい。また聴きたい、全曲を。
●写真は会場でも販売されていた(と思う)岡田博美のアルベニス「イベリア」全曲のCD。98年のライブ録音でカメラータ・トウキョウからリリースされている。このCDは10年以上前にリリースされたものだが、CDがまだあるというのは幸いなこと。
●というのも、LFJでの話だが、会場内のCD売り場に行くとペレスはグラナドス「ゴイェスカス」がドドーンと展開されていて、アルベニス「イベリア」は置いてなかったように思う(少なくとも私は見なかった)。せっかく「イベリア」全曲弾いたのに。「ゴイェスカス」はMIRAREレーベルだからこの音楽祭に置いてあるのは当然だが、実はペレスは「イベリア」も録音している。ただ、レーベルがVersoなんすよね。この録音はあちこちのお店のサイトで見ても品切だったり、検索に引っかからなかったりするので、たぶん在庫がなかったんじゃないだろうか。でも Presto Classical や amazon mp3 ではちゃんとダウンロード販売されている。
●ダウンロード販売は品切にならない。これを会場売りできたらよかったんだろうが、唯一の難点はデータを売ってもアーティストにサインしてもらえないってことか。
May 27, 2013