●ニッポンにとってはコンフェデ杯前の消化試合になったW杯最終予選イラク戦。イラクのほうは勝たなければいけない状況。イラク・ホームの試合だが、イラク国内での試合ができないためカタールのドーハで試合が開催された。前アジア・チャンピオンであるイラクは大きなハンディを背負っている。
●GK:川島-DF:酒井宏樹、伊野波(→高橋秀人)、今野、長友-MF:細貝、遠藤-清武(→中村憲剛)、香川、岡崎-FW:ハーフナー・マイク(→前田)。監督が「テストをする」と言っていた割には選手変更は少なめか。本田を使わず、香川をトップ下に置く、ハーフナーをトップに置く、右サイドバックで酒井宏樹を使う。長谷部が出場停止なので中盤に細貝が入る。吉田に加えて栗原もコンディション不良ということで、センターバックは伊野波先発。
●気温35度、強風ということで、コンパクトで連動性の高いサッカーは無理。お互いにミスの多い試合で、見て楽しい試合にはならなかった。暑さのために前後半で途中に給水タイムが設けられていて、びっくり。これは給水だけではなく戦術の確認もできるわけで、これまでサッカーになかった「タイム!」という新たな要素が加わるわけだ。とはいえ、35度じゃできることは限られているか……。
●消耗戦で終盤にようやくゴールを決めたのが岡崎なのはいかにも。後半45分になってのカウンター、遠藤もよく走った。遠藤がそのままシュートを打つかと思ったが、中の岡崎に入れて、岡崎がスライディングしながらゴール。これが決勝点となってイラク 0-1 ニッポン。
●イラクも決定機は何度もあった。ただ、前半からPKを要求するようなプレイが多く、主審に必要以上に厳しい目で見られることになったような感も。後半36分、伊野波がボールがラインを割ると思い込んだのか、縦に入るボールを突っ立って見送るというミスがあって、そこからイラクがクロスを入れるチャンスがあったが、結果的にシュートの場面でアラー・アブドゥルがオーバーヘッド気味に伊野波の顔面を蹴る危険なプレイで2枚目のイエローで退場。ニッポンのミスで来たビッグチャンスを生かせないばかりか、一人選手が減ってしまった。個々の選手のクォリティはヨルダンやオマーンより高いと思うが、グループ最下位に。
●オーストラリアはヨルダンを4-0で一蹴。2位争いはオーストラリアが勝点10、オマーンが勝点9で残すところ1試合という状況。最終節、オーストラリアはホームでイラクと対戦、オマーンはアウェイでヨルダンと対戦。イラクに可能性が残っていればおもしろい展開になったかもしれないが、あっさりとオーストラリアが勝点3を奪って決まってしまいそう。もしオーストラリアが勝てなかった場合、そのあとで行われるヨルダンvsオマーン戦でオマーンが勝つ可能性は非常に高いと思う。
June 12, 2013