●ふたたびフェスタサマーミューザでミューザ川崎へ。6日はエッティンガー指揮東京フィル。ヴェルディ&ワーグナー・プロ、ソプラノ吉原圭子、バリトン与那城敬。平日15時開演、休憩なしの短いプログラム。
●せっかくミューザまで来てそれだけというのももったいないので、午前11時30分からの公開リハーサルにも出席することに。リハーサルにも200~300名が来場。みっちり1時間半ほどリハーサルしてくれて、とてもおもしろかった。効率的で要求が明確で、ディテールの彫琢をしっかりすることで、全体としてよりメリハリの効いた音楽を作り出す。アンコールまでやるのでネタバレ感はあるけど、そこはみんな承知の上。公開リハは自由席なので、P席側に座れるのが吉。こちら側に座らないと、モゴモゴ響いてしまって、なにを言ってるんだかわからない。
●曲はヴェルディ「運命の力」序曲、「椿姫」第1幕前奏曲&「そはかのひとか~花から花へ」、「ドン・カルロ」より「終わりの日は来た~カルロよ聞け」、ワーグナー:「ワルキューレの騎行」、「タンホイザー」より「夕星の歌」&序曲。弦楽器は対向配置で第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの並び、下手奥にコントバラス。
●対向配置っていっても、実際のホールだと(特に座席が舞台から遠いと)CDで聴くほどのステレオ効果は感じられないもの。でも「椿姫」第1幕前奏曲のあの繊細な冒頭は第1、第2ヴァイオリンだけで始まるので、はっきり左右に分かれて聞こえるのが効果的。これにヴィオラとチェロが加わるんだけど、チェロはソロなんすよね。一人のチェロが「両手に花」状態になる。美しい。ヴェルディ、天才だなあ。
●前半ヴェルディと後半ワーグナーの間に、休憩はなかったが、マエストロ・トークがあった。イスラエルに生まれたエッティンガーにとって、ヴェルディは子供のころから親しんできた大作曲家だが、ワーグナーはそうではない。イスラエルではいまだワーグナーはタブー、自分の世代ももっと若い世代もワーグナーにはなじみがない。ドイツに移ってワーグナーを勉強することができた、等々。そのエッティンガーがベルリン国立歌劇場でバレンボイムのアシスタントを務め、新国立劇場では「ニーベルングの指環」を振ったわけだ。
August 7, 2013