●19日はオペラシティで東フィル。アルベルト・ゼッダが体調不良により来日できなくなったため、急遽代役として園田隆一郎が指揮を務めることに。プログラムはそのまま、すなわちヴィヴァルディ「四季」とR・シュトラウスが若き日に書いた交響的幻想曲「イタリアより」。
●が、前半の「四季」は指揮者を立てずに、ヴァイオリン独奏の三浦文彰が小編成の弦楽アンサンブル(+チェンバロ)をリードする形に。ソリストが真ん中に一人で立って、後ろに弦楽合奏がみんなで座って控えるという、久々のモダン・オケ版「四季」。ソリストとコンサートマスターが父子共演というシチュエーションになぜかドキドキ。切れ味鋭く鮮やかな、なおかつ豊満で重戦車級推進力を有するモダン・ヴィヴァルディ。もう「四季」はあらゆる流儀を包摂可能な超越的名曲ってことでいいと思う。
●後半から指揮者登場。シュトラウスの「イタリアより」なんて振ったことのある人はめったにいないわけで、困難な条件のなかで大奮闘、「フニクラフニクリ」で華やかなクライマックスを築いて、客席の喝采を浴びた。ちなみにこの曲って、ピアニストのリヒテルのお気に入りで、特に第1楽章「カンパーニャにて」がもっとも美しい楽章だって言ってるんすよね。インパクトでは断然終楽章だけど。
●で、これで終わりかと思いきや、まさかのアンコールで、ロッシーニの「チェネレントラ」序曲。これはもう水を得た魚。生気にあふれ、淀みなく音楽が流れる。先に席を立ったお客さんもいたみたいだけど、最後まで座っていてよかった!
September 20, 2013