●20日はアシュケナージ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)東京公演へ(オーチャードホール)。辻井伸行独奏でグリーグのピアノ協奏曲、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」他。久々に対向配置ではないOEKを聴いたかも。このホールに室内オケは辛いかなと思いきや、オケは明快によく鳴っていた。くっきりと鮮やかなグリーグとベートーヴェン。
●珍しいことに楽章間に拍手が起きた。グリーグのピアノ協奏曲の第1楽章の後に出たときは、辻井伸行渾身のソロに対して思わず出てしまったのか微妙なところだったが、「田園」の第1楽章の後、さらに第2楽章の後にも律儀に拍手が起きた。ぜんぜん悪いことではないはず。作曲当時の聴衆もそのように拍手していたことだろう。そして、このときほどグリーグやベートーヴェンが後半の楽章をつなげて書いていることに納得できたことはない。作曲家はきちんと客席をコントロールしている。
●21日はブロムシュテット&N響(NHKホール)。12日に続いてブラームス・ツィクルスで、この日は交響曲第2番と第3番。前半第2番、後半第3番という2曲だけの短めのプログラムだけど、内容的には猛烈に密度が濃い。ロマン的豊潤さとは別種の、体脂肪率5%くらいの純度の高い峻厳なブラームス。特に第3番では何者かが降臨していた。指揮者、オケ、客席全体が一体感に包まれて特別な雰囲気が生まれる、ブロムシュテットのときは、いつもおおむね。
September 24, 2013