●30日、「東京・春・音楽祭」の秋の特別公演としてリッカルド・ムーティ登場。秋の春祭。オケは矢部達哉コンサートマスターを筆頭に、在京オケ首席奏者クラスを中心に活躍中のプレーヤーたちが集った東京春祭特別オーケストラ(メンバー表)、合唱は東京オペラシンガーズ。2日間開催される1日目へ(すみだトリフォニーホール)。
●同じ音楽祭でムーティを招いてオルフ「カルミナ・ブラーナ」を演奏したのは3年前かな? 今回のヴェルディでも同じことを感じた。ムーティの全身から発散されるオーラの強さ、エネルギッシュな若々しさ。オーケストラから普段は耳にしないような、輪郭のくっきりした鮮烈なサウンドが引きだされる。情感豊かで、金管もまろやか。最初の「シチリア島の夕べの祈り」序曲から客席は沸いていた。続いて「シチリア島の夕べの祈り」のバレエ「四季」。ムーティがこの曲を日本で指揮するのは何度目? 以前スカラ・フィルでも聴いたっけ。後半もオペラからの聴きどころが並び、「ナブッコ」の「行け、わが想いよ、黄金の翼にのって」(合唱が秀逸!)と「ナブッコ」序曲で終わる。
●「カルミナ・ブラーナ」のときと違うのはこのプログラム構成かな。最後は「ナブッコ」序曲でこれだけ大きな表現ができるのかと圧倒される一方で、なにか充足するには「あと一つ」が続くべきような気がして、モゾモゾする。アンコールが続くのかと思ったところで、ムーティは客席から花束を受け取って、おしまい。うむむ、そなの? 今日、もう一公演あるので、そこでアンコールがあるのかどうかは気になるなあ。
●ほぼ日本人プレーヤーのオケのなかで、ティンパニはステファン・ペレグリが招かれていた。サイトウ・キネン・オーケストラにも招かれていて、リヨン国立管弦楽団の奏者みたい。「カルミナ・ブラーナ」のときはベルリン・フィルのゼーガースを呼んでいた。キモ、なのか。
October 31, 2013