●21日はソヒエフ&N響(サントリーホール)で、リャードフの交響詩「魔の湖」、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番(諏訪内晶子)、 チャイコフスキーの交響曲第5番というプログラム。前半と後半の落差がすさまじいが、ショスタコーヴィチでもチャイコフスキーでもふくよかなホルンのソロ(福川さん)にほっと一息つけるのが共通項か。ショスタコは暗鬱で晦渋、しかし終楽章はズッコケギャグみたいな変態性全開で怪しすぎる。ソロは鮮やか。チャイコフスキーは骨太で精悍、一丸となって白熱した。異様な来日オケ・ラッシュが続く東京、チャイコフスキーの5番はこの数日間でヤンソンス&コンセルトヘボウ、ネルソンス&バーミンガム市交響楽団も取りあげていて、一時的にチャイ5密度が猛烈に高まっている。なぜこんなに重なるのかと思うけど、その答えはおそらくきっと偶然がすべて。
●15日にもNHKホールで同コンビの公演があって、より印象に残ったのはこちらのほう。ベレゾフスキー得意のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に続いて、プロコフィエフの交響曲第5番。精緻なんだけど音楽のスケールは巨大。ソヒエフの背中からもオーラが発せられていて、並はずれた統率力が伝わってくる。ベレゾフスキーとはベルリン・フィルの定期に2度目に登場したときにも共演してたっけ。1977年生まれ、36歳だけど、まだ若いっていう感じがぜんぜんしない。
November 22, 2013