●東京フィルが3月に「ワールド・ツアー2014」を行なう。本来は2011年に楽団創立100周年記念事業として企画されていた同ツアーだが、東日本大震災の影響で果たせず、今年ようやく実現することに。3月11日(!)のニューヨーク公演を皮切りに、マドリッド、パリ、ロンドン、シンガポール、バンコクで各一公演ずつを開くという大ツアー。指揮は大植英次。プログラムは3種類あって、全都市で黛敏郎「舞楽」が演奏されるほか、都市ごとに小山清茂「管弦楽のための木挽き歌」、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(竹澤恭子)、ストラヴィンスキーの「春の祭典」など。
●東フィルは2011年に日本のオーケストラとして初めて100周年を祝っている。創設は1911年(明治44年)。前身を名古屋のいとう呉服店(現大丸松坂屋)少年音楽隊まで遡る。その後、1932年に「名古屋交響楽団」と改称、1938年には東京に拠点を移して「中央交響楽団」を名乗り、1941年に「東京交響楽団」と改称、さらに戦後「東京都フィルハーモニー管弦楽団」「アーニー・パイル交響楽団」を経て、1948年に「東京フィルハーモニー交響楽団」としての第1回定期演奏会を開いている。オケの名前って今でも混同されがちだけど、過去の変遷をたどるといっそう複雑なんすよね。古い文献に「東京交響楽団」とか「東京都フィル」「名古屋交響楽団」が出てきたときに早合点しないようにしなければ(ちなみに現在の「東京交響楽団」は1946年に「東宝交響楽団」として設立され、1951年に東京交響楽団と改称している)。
●プレスリリースには、「従来の『演奏旅行』に終わらせないため、ツアーの全公演を余すところなくインターネットで同時中継し、世界中で感動を共有することを目指します」と記されている。期待。
February 13, 2014