●17日は東京国際フォーラムでラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭記者発表。写真はTVドラマ「半沢直樹」でも話題を呼んだLFJアンバサダーの石丸幹二さんとルネ・マルタンさん。石丸さんは本編の公演で朗読でピアニストのジャン・デュベと共演、リストの「詩的で宗教的な調べ」に付されたラマルティーヌの詩を読んでくれる。
●で、今年のテーマは「10回記念 祝祭の日」。これまでの9回で主役となった作曲家たちに、今年のナントのテーマである「アメリカ」からガーシュウィンがゲスト参加するということで、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ショパン、ヴィヴァルディ、ドヴォルザーク、ブラームス、チャイコフスキー、ラヴェル、ガーシュウィンの10人が主役。そして、さらにその10人がそれぞれ「友人を連れてくる」という設定で、モシェレス、ハイドン、ディアベリ、リスト、バッハ、スメタナ、シューマン夫妻、ラフマニノフ、フォーレ、ナディア・ブーランジェも招かれる……ということで「ドキッ!作曲家だらけの音楽大会」みたいな大賑わい。
●そんなわけで発表されたタイムテーブルがこちら(現在PDF版のみ。後日HTML版も)。今回気になるのは新しい会場が加わったこと。大手町にこれからオープンする「よみうり大手町ホール」、500席。ここは悩みどころで、おそらく「よみうり大手町ホール」は音響面で有利なはず。ただし場所が離れている。無料シャトルバスの運行もあるそうだし、場合によっては地下鉄に乗るのが手っ取り早いかもしれないし、実際にどれくらいの移動時間を見るべきかが難しい。きっと東京国際フォーラムのお祭り的な雰囲気は薄まるだろうけど、そのほうが好都合っていう人もいるだろう。でも大手町で空き時間を過ごすときはどうするのがいいのかなあ……等々、始まってみないとわからない感が大。
●なお、ビックカメラの上の「よみうりホール」と、「よみうり大手町ホール」はぜんぜん別のホールなので注意したい。場所も離れているから、混同するとチケットを手に呆然とすることになる。
●で、プログラム全体について、自分の印象をいえば、ホールA(5000席の巨大ホール)と「それ以外」ではずいぶんカラーが違うな、といったところか。ホールAはずらり超名曲だけが並んでいる。「それ以外」のほうがルネ・マルタンらしい気の利いたプログラムが多く、LFJらしい。このホールAの超名曲路線がどれくらい集客につながるものなのか、ひそかに注目している(「名曲のほうが人が集まるのか?」については、憶測だけで決めつけられないと感じている。五分五分くらいの気分で)。
●当初は「総集編」的なプログラムだと新味がないかなあと危惧していたんだけど、プログラム個別に見ると、たしかにこれまでのLFJで聴き逃した作曲家や作品、もう一度聴きたいようなプログラムはいくつもある。特にベートーヴェンやモシェレス、シューベルトあたりのピアノと室内楽にひかれるかなあ。小さい場所ほど凝ったプログラム、大きい場所ほど広く一般向けの内容になるのはしょうがないので(これはナントでも同じ)、チケットの入手しやすさとのバランスを考えると、ホールB7(800席)、よみうりホール(1100席)、よみうり大手町ホール(500席だけど離れてる)あたりに狙い目の公演が多そう。
●ホールAは普段クラシックを聴かない家族や友人を誘うには適したプログラムがそろっているのでその面で活用できるのと、初来日の謎の(?)オケ、タタルスタン国立交響楽団を聴くために足を運びたい。タタルスタン響はナントにも出演していないので、まったく未知のオケ。ローカル色という点で期待している。朝イチのホールAはいつものように「0歳からのコンサート」。これは東京ならではの秀逸な企画。あとホールCの鈴木優人指揮横浜シンフォニエッタを一度は聴いておきたい。その他、気になる個別の公演についてはまた改めて。
February 18, 2014