●19日はネヴィル・マリナー指揮N響へ(サントリーホール)。オール・モーツァルト・プロで交響曲第35番「ハフナー」、ピアノ協奏曲第22番(独奏はティル・フェルナー)、交響曲第39番。マリナーは今年90歳を迎えるはずなのに、矍鑠としている。足取りもしっかりしていて、とてもそんな年齢には見えない。先日のドヴォルザークと同様、円熟味にあふれ、溶々と流れるモーツァルト。ASMFと次々と録音をリリースしていた時期よりも今のほうが素直に楽しめるかも。フェルナーとの相性もぴったり。
●3曲とも編成にトランペットとティンパニを含み、祝祭的な性格を持った輝かしい作品。もうひとつ共通するのは木管セクションの簡潔さ。「ハフナー」はフルートとクラリネットが含まれない初稿での演奏だった。ピアノ協奏曲第22番と交響曲第39番の両変ホ長調作品では、オーボエ2が省かれ、代わりにクラリネット2が入るという特徴的な編成が採用されている。ともにフルートは1本。オーボエの持つメランコリー、ひなびた秋色がなくなり、代わってふくよかで当世風の?クラリネットが前面に出てくることで、田舎のお祭りではなく、賑やかな都市の祝祭を連想させる。
●後半は交響曲第39番ではじまるので、チューニングを始めるのはオーボエではなく、クラリネットだった。オーケストラ、たまにあるある。
February 20, 2014