●3日はサントリーホールでエッティンガー指揮東フィル定期。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(アレクサンダー・コルサンティア)とチャイコフスキーの交響曲第4番というプログラム。ラフマニノフの3番は、ナントのLFJでヨーゼフ・モーグの清冽な演奏を聴いて感銘を受けたばかりだけど(LFJ東京でもオススメ)、まるで違うタイプの名演をまた耳にすることになった。コルサンティアはグルジア出身。気迫のこもったスケールの大きな怪演に震撼させられる。オーケストラも細部まで彫琢されていて伴奏に留まっていない。協奏曲でこれだけ噛みあった演奏はめったに聴けないのでは。後半のチャイコフスキー第4番も秀逸。ところどころでタメを効かせたエッティンガー節も効果的、オーケストラの機能性も想像以上に高くて、近年聴いたなかではもっとも魅力的なチャイコフスキーのひとつだった。これでもっとエッティンガーが振ってくれればなあ……とは思う、常任指揮者だし。
●サントリーホールと六本木一丁目駅の間を結ぶアークキッチン経由の新ルートだが、終演時の人の流れを見ると利用率は5割前後といったところだろうか。思ったほどではない。気づかれていないのか、好かれていないのかは不明。
March 4, 2014