March 13, 2014

下野&読響でドヴォルザークの「レクイエム」

ドヴォルザーク●12日は下野竜也指揮の読響定期でドヴォルザークの「レクイエム」。3月に弔いの音楽を聴く機会が増えるのは自然なことだが、ドヴォルザークとは。先日のMETライブビューイング「ルサルカ」、東京のLFJでたぶん聴くであろう「スターバト・マーテル」と合わせて、今年はドヴォルザークをたくさん聴く年になるのかも。LFJ新潟やLFJ金沢でもドヴォルザークは主役級扱いなので、そちらであまり普段演奏されない室内楽を聴く手もありうる。
●で、ドヴォルザークの「レクイエム」。100分近い大作、休憩なし。中嶋彰子、藤村実穂子、吉田浩之、久保田真澄(当初予定されたバスの妻屋秀和が体調不良で交代)の独唱陣と国立音楽大学合唱団を得て、情感豊かでスケールの大きな音楽が繰り広げられた。「レクイエム」とはいいつつも、ドヴォルザークらではの親しみやすく抒情的なメロディにあふれ、一方で終盤にはブルックナー的な宗教的恍惚感も訪れるという、様々な容貌を持つ作品。イングリッシュ・ホルン大活躍。ヴァイオリン・ソロはゲストコンサートマスターの長原幸太。
●充実した演奏に圧倒されつつも、ドヴォルザークという作曲家と自分との距離も改めて感じる。ドヴォルザークって、ごく一部の作品以外は決してフレンドリーな作曲家じゃないな、と。「ルサルカ」でも感じるんだけど、瞬間瞬間の美しさとは別に、作品全体を束ねる文脈にどれだけ寄り添えるのかっていうのが試金石かなあ。

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