●30日はミハイル・プレトニョフのリサイタルへ(東京オペラシティ)。前半にシューベルトのピアノ・ソナタ第4番イ短調と同じくソナタ第13番イ長調、後半にバッハのイギリス組曲第3番ト短調とスクリャービンの「24の前奏曲」という特徴的なプログラム。シューベルトもスクリャービンもおおむね二十歳を少し超えるくらいまでに書かれた若年期の作品。渋いプログラムだと思うんだけど、客席は思ったより盛況で、反応も熱かったのはさすが。シューベルトはかなり自由なプレトニョフ節が炸裂、作品に抱いていた青々とした清冽なイメージが吹き飛んで、円熟した深遠なる巨匠芸の世界へ。しかし圧巻はスクリャービンか。前奏曲集というミニチュア的な世界の枠を超えた大きな音楽が生み出されていた。
●スクリャービンの「24の前奏曲」はショパンの同様の曲集からインスピレーションを得た作品。なんだけど、スクリャービンに濃いショパン成分を感じるとなんとなく疎外感を覚えるという謎。
●この日の昼、久しぶりに須栗屋敏先生の仕事の打ち合わせに出向いた。シンクロニシティを感じる(感じません)。
May 30, 2014