●2日はANAインターコンチネンタルホテル東京で、サントリーホールの古代祝祭劇「太陽の記憶 卑弥呼」制作発表記者会見。札幌コンサートホール、福岡シンフォニーホール、サントリーホールによる共同制作で、11月にこれら3つのホールで上演される。作曲・指揮・台本は菅野由弘さん。菅野さんと歌舞伎の中村福助さん(演出を担当)、ヴァイオリンの大谷康子さん、三味線の常磐津文字兵衛さんの出会いから生まれた企画で、洋楽から邦楽、舞踊など異ジャンルで活躍する人々のコラボレーション。
●古代祝祭劇といわれてもイメージはなかなかわかないが、もちろん卑弥呼時代の音楽を再現しようとしたものではなく、興味をひくのは洋の東西や時代を超えた楽器群がアンサンブルを組んでどんな音が出てくるのか、という点。ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、パイプオルガン、パーカッションの洋楽器勢と、三味線、笙、能管、尺八、琵琶、筝、十七絃らによる和楽器勢のアンサンブルを、作曲の菅野さんは「ありえたかもしれない日本のオーケストラ」と表現していたのがおもしろかった。つまり、西洋のオーケストラの楽器もそれぞれ起源をたどれば西洋の外から伝来したものなので、空想上の日本のオーケストラとして、こういった編成だってありえたというアイディア。さらに声明も加わる。卑弥呼役は中村児太郎さん。休憩を含む120分の作品で、現在作曲中。
●大谷さんの「菅野さんは〆切を守る人。むしろ〆切よりだいぶ早くなる方なので安心しています」という演奏家の立場からの一言がおかしかった。
June 3, 2014