●あとは本番を迎えるだけ。ワールドカップ・ブラジル大会前の最後のテストマッチ、ニッポンvsザンビアがアメリカで行われた。ザンビアは本大会に出場していないのに、すごくしっかりしたチームを組んで戦ってくれた。ワールドカップへの出場歴こそないが、2012年のアフリカネイションズカップには優勝しているので、強国といっていいはず。
●ニッポンは前半9分、前半28分と立て続けに失点して苦しい展開に。しかし、そこから3ゴールを奪って逆転し、さらに1失点して追いつかれるも、最後に4点目を奪って4-3で勝利するという、非常に大味なゲームになった。ザッケローニの23人の選択そのもの、つまり攻撃優先が結果という目に見える形になってあらわれたという印象。端的にセントラルMFに一対一の守備に強い細貝を選ばずに、展開力のある青山を選んだことにあらわれていると思うんだけど、序盤の連続失点は中盤の守備の脆弱さを感じさせたし、一方で最後の決勝点は青山が難度の高い縦の長いパスをぴたりと大久保に合わせて生まれたゴールだった。守備が弱くて、攻撃が強い。この傾向は否定しようがない。
●出場選手は以下の通り。GK以外はこの先発メンバーをそのまま本大会の第一戦に起用するつもりだったのだろう。GK:西川-DF:内田(→酒井宏樹)、今野(→森重)、吉田、長友-MF:遠藤(→青山)、山口-岡崎(→大迫)、本田、香川(→齋藤)-FW:柿谷(→大久保)。
●懸案のワントップ、柿谷の調子はもうひとつで、絶好調の大久保を使う手もあるのかと思えば、大久保がトップに入ったのはごくわずかな時間で、大迫が入ってからは2列目に入った。結論が出なかった感も。頼みの本田も本調子には程遠い。このまま本大会でも不動のレギュラーになるのだろうか。長友はキレキレ。長谷部はベンチに置かれることになりそう。吉田や遠藤、今野など、従来の絶対的レギュラーも先発は確定していないと見ていたのだが……。90分を通していちばん盛りあがった瞬間は、終盤、本田のゴールを生んだ森重のクロス。とてもセンターバックとは思えないこじゃれたフェイントでスマートなクロスボールを入れた。これには大笑い。
●なんだかコンディションがパッとしないままに本大会を迎えることになってしまった。なんだか調子悪いなーと思いつつも、終わってみれば直前テストマッチを3連勝。中身と結果がちぐはぐな状態で、これは吉と出るのか凶と出るのか、さっぱりわからない。3連勝しても驚かないが、3連敗しても驚かない。……いや、3連勝したら驚くか。幸運を祈るしか。
June 8, 2014