●心の準備もできていないままに早々にニッポンの第1戦。ニッポンの先発はトップに大迫を置いたのがやや意外。センターバックは森重と吉田、セントラルMFには山口と長谷部ということで、今野、遠藤がベンチに。GK:川島-DF:内田、吉田、森重、長友-MF:山口、長谷部(→遠藤)-岡崎、本田、香川(→柿谷)-FW:大迫(→大久保)。序盤はニッポンもコートジボワールも動きが鈍く重苦しい展開だったが、前半16分、左サイドから香川、長友、本田とボールがわたって、本田がすばやく左足を振りぬいて先制ゴール。しかしうまくいったのはここまで。
●その後はコートジボワールの攻撃にニッポンが耐える展開に。ギリギリのところで守っていたともいえるし、コートジボワールのフィニッシュの雑さに救われたともいえる。後半9分に長谷部から遠藤へ予定通りの交代、コートジボワールも後半17分にドログバを投入。ドログバの存在感はすさまじい。コートジボワールが攻勢を強め、後半19分と後半21分に立て続けに、しかもまったく同じ形でゴールを奪って、一気に逆転した。ニッポンの左サイドを破られ、高速クロスボールをゴール前に入れて、どんぴしゃで頭で合わせられるという形。クロスを入れる選手がノープレッシャーだと、これだけの精度のボールが入ってくる。だれかがあそこで行かなければいけなかったわけだが……。
●その後、大久保、柿谷を入れるが、遠藤も含めて交代選手はほとんど何もできず。チャンスの数も非常に少ない試合で、終盤にはやらないはずのパワープレイまで飛び出した。やりたいことをなにもできずに、やりたくないことをやらされたという試合。ザッケローニの攻めきるためのメンバーは、ニッポンがポゼッションで優位に立つことが前提になっているが、前から追ってもプレスが十分かからず、ポゼッションで劣位に立ったときにどうするか。そして左サイドの争いは完敗。香川は守備に追われてほとんど埋没し、しかもこのサイドからの2失点。しかし失点以前に気になったのは、前半からニッポンが攻めに出ようとした段階でのイージーなパスミスが多かったこと。あわや相手のカウンター天国寸前。ミスの積み重ねが後半の消耗を生んだのかも。攻守にわたってプレイのダイナミズムを欠いた。
●コロンビアは3-0でギリシャに大勝したので、グループCは大方の予想通りコロンビアとコートジボワールの二強と思われているだろう。しかし次戦ニッポンがギリシャに勝てばまだまだ挽回の可能性はあるはず。
コートジボワール 2-1 ニッポン
娯楽度 ★★
伝説度 ★
(★は5点満点)