●ここから各チーム2試合目に。ホスト国ブラジルはメキシコと対戦。近年の戦績に関していえば、この両者は意外にもメキシコが勝ち越しているのだとか。事実、メキシコは最初から最後までブラジルを恐れずに戦い抜いた。ともにインスピレーション豊かな見ていて楽しいフットボールを好むチーム、しかも1試合目にすでに勝点3を獲得しているとあって、オープンで見ごたえのある試合になった。楽しい。
●ブラジルはフッキがケガということで、代わってラミレスを先発起用。フレッジ、ネイマール、オスカルらの攻撃陣。メキシコにもドス・サントスや途中出場のエルナンデスといったタレントがいるけど、なんといってもベテラン・センターバック、マルケスの健在ぶりが頼もしい。バルセロナ時代の活躍を思い出す。
●前半はブラジルが攻勢だったか。パスワークとドリブルで何度か好機を作っていたが、最後の最後でメキシコのキーパー、オチョアがゴールを防ぐ。オチョアは前後半にわたってファインセーブを連発して試合を引きしめた。後半は途中まではメキシコが主導権を握っていたと思う。たびたび惜しい形を作ってブラジルを追いつめた。ただ、後半の途中からはメキシコの運動量も落ちてくる。ブラジルはフレッジに交代して入った大型フォワードのジョーを中心に再度試合のペースを取り戻したが、最後までオチョアの守るゴールを破ることができず。しかし意表をついた個人技や流れるようなパス回しなど、両者ともにスペクタクルでなおかつ十分にファイトするゲームとなって、自分が見たなかでは今のところ今大会のベストマッチ。ボール支配率もブラジル53対メキシコ47、シュート数も拮抗していて、数値の上でも互角の戦いだった。
●今大会、気候条件が厳しいのか、後半の途中から運動量が急激に落ちる試合が多いような気がする。前半は詰将棋みたいなタイトな中盤を争っていても、後半途中からは選手間の距離が開いて、中盤がうんとゆるくなる。この試合で言えばブラジルはウィリアン、メキシコはエルナンデスとスピードのあるアタッカーを終盤に投入していたが、こういう選手たちが元気な状態で入ってくると、もうだれにも止められなさそうなもの。たまたまこの試合はスコアレスに終わってしまったわけだけど。
ブラジル 0-0 メキシコ
娯楽度 ★★★
伝説度 ★