July 1, 2014

決勝トーナメント1回戦、フランスvsナイジェリア、一見地味だけどよく見たらやっぱり地味

フランス●ようやく今大会のフランスを初観戦。大会前に最大のスター、リベリを負傷で欠いたこともあってあまり注目していなかったが、始まってみるとフランスの評判がずいぶんいい。スター軍団ではなく、組織力で戦える団結したチームである、と。前回、チームが空中分解した反省を生かしてということなのか。
●フランスは右サイドバックがドビュッシーなんすよ。光と風と波のようなサイド攻撃を期待したい。ウソ。作曲家と綴りは違ってた。
●お互い4バックの対決。前半、ナイジェリアは右サイドが機能してスピードのあるアタッカー陣が突破を繰り返すも、ゴールを割るには至らず。フランスも右サイドからの攻めが有効だったが、エニアマの好セーブもあってゴールは遠い。膠着した展開が続いたが、フランスは後半17分、ジルーを下げてグリーズマンを入れたあたりから攻撃がスムーズに。後半25分、ベンゼマがそのグリーズマンとの鮮やかなワンツーから抜け出し決定機を迎えたが、ボールはエニアマを手をはじき、さらにこれをモーゼスがぎりぎりのところでクリア。チャンスの少ない試合だったが、後半30分あたりからナイジェリアの守備がルーズになる。後半34分、コーナーキックからキーパーが弾いたこぼれ球をポグバが頭で押し込んでフランスが先制。
●ここからナイジェリアの猛反撃が来るかと思えば、淡泊なプレイが続き、早々に試合は時間を消費するモードに。後半47分、フランスのコーナーキック、もちろんフランスの選手は人をかけずにショートコーナーを選択、しかしここから入れた低いクロスボールが中央でグリーズマンと競ったヨボのオウンゴールを誘発して、気まずい雰囲気で?フランスが2対0に。フランスの試合巧者ぶりを感じたというか、ナイジェリアの勝負への執着心の薄さを感じたというか。
●この試合、主審が笛もカードも控えすぎたんじゃないかという気がする。ラフなプレイが目立って負傷者も出たし、一発レッドに近いプレイもいくつかあったのでは。激しいプレイもいいかもしれないが、もっと吹いたほうがむしろ試合はエキサイティングなものになったかもしれない。
●ところで今大会はナイジェリアとアルジェリアのアフリカの2カ国が決勝トーナメントに残ったが、アフリカから2カ国残ったのは今大会が初めてなんだとか。えっ、ウソ?と思って1986年まで遡って調べてみたが、たしかにそのようだ。体感的にアフリカ勢はもっと強いというイメージがあったが、実際にはずいぶん苦戦してきたわけだ。で、今回、もう1試合のアフリカ勢、アルジェリアは延長戦の末、ドイツに敗れてしまった。ともにアフリカ勢はベスト16で姿を消したが、もし両者が勝っていれば、次戦でアルジェリアvsナイジェリアが実現したことになる。「ある」んだか「ない」んだか、実存をかけて戦うアルジェリアvsナイジェリア、有vs無のポストモダン対決が見られなかったのは実に惜しい、惜しすぎるっ!

フランス 2-0 ナイジェリア
娯楽度 ★★
伝説度 ★

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