July 7, 2014

準々決勝、アルゼンチンvsベルギー、リアクション芸の達人。オランダvsコスタリカのPK戦。

アルゼンチン●準々決勝、アルゼンチン対ベルギー。この試合でアルゼンチンが負けてしまうと南米勢がブラジルのみになってしまう。というか、メッシをもう見られなくなってしまう。それでは困るわけで、若いスターを並べるベルギーをリスペクトしつつも、アルゼンチンを応援。アルゼンチンはビリア、デミチェリス、バサンタと3人が初先発。攻撃陣はアグエロが離脱したままなので、イグアイン、ラベッシ、メッシ、ディマリア。ベルギーもメンバーをいじってきてトップに19歳のオリギ。アザールだって23歳で若いんだけど、さらに若い。
●前半からアルゼンチンはボールがよく回る。前半8分、あっという間の先制点はラッキーもあって、ゴール前でのディマリアからのパスが相手にあたってイグアインへのナイスパスになり、これをボレーでゴール。この開始早々の先制点がそのまま決勝点となる、既視感のある展開のゲームに。前半28分、メッシから明後日の方向にするするとスルーパスが出て、は?これ、何なの?と思ったら、ボールが抜けた先にディマリアがドンピシャで走りこんでいて、もう神としか思えない。ドリブルもシュートもスルーパスもぜんぶ神技。しかし前半でディマリアがペレスに負傷交代。キレまくっているディマリアがいなくなると痛い。次戦、どうなるのか? ベルギーは両サイドから入れる速いクロスが有効だったが、ゴールには至らず。
●終盤は高さで勝るベルギーが、センターバックのバンブイテンを前線に上げてパワープレイに出た。後半40分からのパワープレイは少し早すぎかとも思ったが、アルゼンチンが必死で守る姿を見ると、たしかに可能性は感じさせる。しかし、つまらない。こんなつまらないプレイが実りませんようにと祈ったところ、サッカーの神様も共感してくれたのか、アルゼンチンは逃げ切った。おっと、終了直前カウンターからメッシがキーパーとの一対一を外すという場面もあったが。メッシだってミスをする。そりゃそうか。
●ベルギーの4バックはみんなでかい。186cm、190cm、189cm、196cm。しかもみんなセンターバック・タイプを並べているのだとか。欧州は昔からセンターバックとサイドバックを兼任するタイプのプレーヤーが珍しくないけど、日本ではかなり少ないっすよね。サイドバック観の違いというか。
●試合中、アルゼンチンのサベーラ監督が、イグアインのシュートがバーに弾かれた場面で、「あ~れ~」という感じで真後ろに卒倒しかける見事なリアクションを見せて、目を見張った。このリアクション芸はスゴい。全世界に中継される価値がある。この大会では、ドイツ代表のミュラーがフリーキックでズッコケ芸(わざと)を披露してくれたが、ヌルいズッコケ芸に関して手厳しい日本のお茶の間では失笑を買っていた。しかしサベーラ監督のリアクションにはだれもが一目置かざるを得ないのではないか。

アルゼンチン 0-1 ベルギー
娯楽度 ★★★
伝説度 ★★★ (サベーラ監督の卒倒芸に)


●もう一試合、オランダvsコスタリカは都合で全部は見れなかったんだけど(ら抜き)、延長戦からPK戦までをざっと。なんですか、オランダのPK戦用にキーパーを交代する作戦は。これだからファンハール監督って好きになれない。もうみんな走れないんだから、交代枠ひとつ余ってるならそれ使ってフィールドプレーヤー入れたほうがよっぽど勝ち目は高いじゃないの、なのに1枚PK戦のために余らすって、なんというバカ作戦。これは絶対に失敗してほしい、コスタリカがんばれっ!と思っていたら、まんまと作戦が的中して、バカなのはワタシであった……。なるほど、先発のシレッセンはPKが苦手なのだろうし、交代で入ったクルルはセーブ力が高いようだ。ベンチにいる間に、コスタリカ選手のスカウティング・レポートをがっつり頭に叩き込むことができたんだろう。でもな。やっぱりこの作戦は失敗してほしかった。奇策は嫌いじゃないというか、むしろ大好きなんだけど、PK戦となるとどうかなあ。たとえそれが神話だとしても、「PK戦は運だめし」と信じていたかった。

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