●今季からJ3が創設されて、3部制となったJリーグ(JFLも健在だが)。代表監督にだれがなるかというてっぺんの人事より、国内リーグという裾野の広がりのほうが日本のレベルを決めるのだよなあ、ということを先のワールドカップで痛感したわけだが、ぜんぜんスタジアムにも足を運べていない痛恨の夏、せめて今のJリーグを横目で眺めてみる。
●J1の注目はサガン鳥栖。まさかの快進撃で首位を走っていたと思ったら、ユン・ジョンファン監督が突然辞任しまうという謎展開で、しかも監督が去ったらたちまち2連敗。状況は少し違うが、昨季の大宮を思い出す。大宮もベルデニック監督で首位をひた走っていたのが、調子を落として監督を交代したところ、さらに順位を下げて結局14位で終わった。鳥栖の場合は首位を快走している状態からいきなり監督と契約を解除したのだから、なにが起きたのかさっぱりわからない。この後、泥沼にはまるのか、優勝争いに留まるのか。マリノス者としては、水沼宏太の活躍がうれしい。そして、マリノスは昨年の優勝争いがウソのように(たぶん夢かなにか)、下位に低迷している。ああ……。
●J2は湘南がぶっちぎりで首位独走中。いくらなんでもここから落ちることはないだろうから、ほとんど昇格は決まったようなものか。2位が松本山雅FC。一昨年、松本まで遠征して試合を観戦したかいがあった? アルウィンはすばらしいスタジアムなので、また訪れたい。3位がジュビロ磐田。祈健闘。
●そして下を見ると、20位に東京ヴェルディがいる。ついレギュレーションを確かめたくなるが、J3に降格する可能性があるのは21位と22位。下とは勝点差があるので、まだ危険な水準とまではいわないが、今後「初めてJ3に降格する元J1クラブはどこか」に注目することになるかもしれない。
●J3は1位に町田。2位にツエーゲン金沢がつけている。金沢には元横河武蔵野FCの太田康介が在籍中。自分史上、横河武蔵野最強の選手なので、ぜひ上のリーグで活躍する姿を見たい。
●J3に変則的に参加している「Jリーグ・アンダー22選抜」は8位と苦戦中。全試合アウェイであること、毎試合参加選手が不定であることなど条件的には不利なことは不利なのだが、将来を嘱望される若いエリートvs3部リーグの無名選手集団の戦いというのは、一種の実験のようで興味深い。個人能力がいくら高くても、3部のチームに勝てないというところに、やっぱりサッカーはチームスポーツなんだなと感じる。
August 19, 2014