●12日は山田和樹指揮日フィルへ(サントリーホール)。シュトラウスの「ばらの騎士」ワルツ第1番、シェーンベルク「浄められた夜」、シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」。チェロは日フィルのソロ・チェロ奏者の菊地知也、ヴィオラにはベルリン放送交響楽団首席のパウリーネ・ザクセを招いた(一曲目からずっとヴィオラ首席で弾いてくれた。吉)。「浄夜」と「ドン・キホーテ」という、ともに1890年代後半に文学作品を題材に生み出された作品が並び、その性格の対照性があらわにされるとともに、精緻で澄明な響きの芸術という点で近親性も感じさせる。このコンビにいつも思うのは、一段階オーケストラが掃除されてきれいになった感。濃密さよりも透き通るようなリリシズム。
●アジア大会の男子サッカーはU-21だからまったくノーマークだったのだが、偶然テレビをつけたところ、初戦のニッポンvsクウェートを放映していて、すっかり見入ってしまった。このU-21、スゴくない? 監督は仙台で手腕を発揮した手倉森誠。この前のワールドカップのオランダ代表みたいな3バック(あるいは5バック)を採用して、スペクタクルな攻撃を展開、クウェートを4対1で一蹴した。先制点の大島僚太(川崎)、うますぎ。トップの鈴木武蔵(新潟所属のジャマイカ系選手)が2ゴール。いかにもセンターフォワード調の鈴木武蔵はタイプが違うが、ほかの選手は非常に足元がうまく、パス回しが気持ちいい。センターバックまで技術のしっかりした選手がそろっているような印象。フル代表は現在モデルチェンジ中だけど、U-21はニッポンらしい流れるようなパス回しと手倉森流守備組織がうまく融合しているように見える。もっと強い相手だとどうなるのかは未知数なので、この先も期待。
September 16, 2014