amazon
October 6, 2014

「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(ジェーン・スー著/幻冬舎)

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題●もう書名だけでも読むしかないと思わせる秀逸な一冊。人気ブログが書籍化された、ジェーン・スー(←まるっきり日本人です)の「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)。そう、それなんすよ! と思わず膝を連打。最初に目にしたときはいくらかひっかかりを感じた「30代女子」なんて言葉はすでになんの違和感ももたらすことなく、いまや「40代女子」にもまったく抵抗がない(少なくともワタシは)。「還暦女子」もぜんぜんあり。でもさ、どうしてこういうことになったんだっけ? カバー裏に引用された一文がステキすぎる。

理屈より気分を優先する女子メンタリティは、社会的弱者に宿るからこそ輝くもの。社会経験とコズルイ知恵と小金を備えた女たちが「女子! 私たちはずっと女子」と騒ぎだしたら、暴動みたいなものです。

●書名は最初の一章の見出しにすぎないんだけど、ほかの章も傑作。「ていねいな暮らしオブセッション」とか「私はオバさんになったが森高はどうだ」など、見出しも内容も鋭い。一冊のテーマとしては、女子の生き方&働き方なので女性読者が多いと思うけど、男性側から見てもうなずけるところ多数。
●もう一昔前の話だけど、業界のとある大先輩が「元気で仕事ができるのは若い女性ばかり。なんで若い男はみんなダメなの?」と、当時若かった会社員時代のワタシに問いかけてきたことがあった(笑)。「とあるゲームの攻略法」の一章を読むと、その現象を生むメカニズムが見事に解き明かされていて笑うしかない。30代独身女子の無敵っぷりに対して、勤労意欲のあるんだかないんだかわからない男たち。「頼りない男連中にイライラする時間がなくなれば、もっと楽しく生きられるのに……」と感じたっていうんだけど、ホント、これって容易に目に浮かぶ光景なんすよね。それは会社員の世界で男女が違うゲームをプレイしているから、という話なんだけど。