●14日の試合をようやく見る。録画を再生したらあまりに酷いピッチが映っていてのけぞった。豪華スタジアムの中心に荒川の河川敷にありそうなはげた芝と砂だらけのサッカー場が。
●そしてブラジル代表を相手に、ほとんど代表歴のない選手だらけのチームを先発させたことが最大の驚き。2試合親善試合があって、ジャマイカ戦でほぼベストメンバーで戦い、ブラジル戦で経験の少ない選手たちで戦うという謎。先発だけ書いておくと、GK:川島-DF:太田宏介、森重、塩谷司、酒井高徳-MF:田口泰士、柴崎岳、田中順也、森岡亮太-FW:岡崎、小林悠。新鮮すぎる。
●まず新横浜でも埼玉でもなくシンガポールで試合が開催されたこと。これはいいと思ったんすよ。まったくの第三国シンガポールでブラジルの相手を務められるくらいニッポン代表の存在感が高まっている、っていうか現地でそれなりに人気があるから、こういう「興行」が成立する。ありがたいこと。でもシンガポールのお客さんはサッカーに慣れてなくて、歓声の上がり方もヘンだし、ピッチはむちゃくちゃだし、リスペクトは感じられるんだけどなんだかシラッとした空気も漂っていて、これはなんだかよく知ってる光景じゃないかと思った。ずばり、昔のトヨタカップがこんな感じ! そっくり。よほどのマニア以外は海外サッカーのことなんか知らなくて、ワールドカップも手の届かない遠いところにあった時代の国立競技場で、ACミランとかボカ・ジュニオールズを観戦してる雰囲気。きっと現地のテレビ中継には、シンガポールの明石家さんまみたいな人がゲストで招かれて、いかにネイマールがスゴいかを熱弁してくれたにちがいない。
●で、ピッチがあんな感じなので、試合もバトルというよりは興行モードにならざるをえなくて、キックオフ直後からすっかりラインが間延びして、スペースがたくさんある。0対4という結果よりも、果たしてこんな条件で、しかも相手がブラジルで、選手選考になったんだろうかということのほうがよほど心配。前の試合でも書いたけど、アギーレ監督は試合をするたびに使える選手を見つけているのではなく、使えない選手を見つけているだけなんじゃないかという気がしてしょうがない。
●これはサポの勝手な言い分だけど、アギーレは初勝利が欲しくてジャマイカでベストメンバーを組みたかったんじゃないかな。そうなると日程の都合もあってブラジル戦はこうなった、と。実際、シンガポールの悲惨なピッチコンディションまで見通していたのだとしたら、正しい判断かもしれない。あの状態で実績豊富な選手たちに試合をさせてもリスクの割には得るものは少ない、だったらこのレベルの選手と普段戦う機会のない選手たちをたくさん出そう、とか?
●アジアカップに向かって一歩も前進している感がないアギーレ・ジャパン。傍目には貴重な親善試合の機会を空費してしまっているように見えるわけだが、どうなんだろう。われわれの代表はこれまでどれだけ名将に恵まれてきたのかと感じ入る一歩手前まで来ているのだが、まだ希望は持っている。
October 17, 2014