●備忘録として遡って、24日はノリントン&N響のシューベルト・プロへ(NHKホール)。前半は「未完成」。弦楽器は8型、だったかな。NHKホールの巨大空間に、室内楽の延長のような小さな編成のシューベルト。この日もノリントン指揮の公演ではおなじみの特設反響板が設置されていた。弦楽器は下手から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと対向配置で並び、コントラバスは最後列に横一列。ティンパニが上手端に置かれて、存在感を放っていた。第2楽章冒頭のリズムが特徴的。後半は「ザ・グレート」で、こちらは倍管仕様で弦楽器も大編成。最後列のコントラバス8台の真ん中に割って入る形でトロンボーンを置いた。聴覚以上に視覚的にトロンボーンに焦点があたる。第1楽章冒頭のホルンから独特のフレージング。第2楽章が速くて、ほとんど舞曲的。終楽章はじっくりと壮大に。豊麗な一方で、どこか枯れた味わいも。
●25日はモザイク・クァルテット(トッパンホール)。プログラムがモーツァルトの弦楽四重奏曲第17番「狩」、シューベルトの弦楽四重奏曲第10番変ホ長調、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第2番ト長調。シューベルトも簡潔な作品なので、様式的に一定の枠をはみ出さない古典的なものを、ということなのかもしれないんだけど、それにしても思い切った選曲。4人の奏者がひとつになるという意味では恐るべき成熟度。アンコールにモーツァルトの弦楽四重奏曲第15番ニ短調の第3楽章。もっとモーツァルトのハイドン・セットを聴きたくなる。やはり作品の力が違うというか。
●今週土曜日、11月1日22:00からのFM PORT「クラシックホワイエ」では、大活躍中のソプラノ、安藤赴美子さんをゲストにお迎えしている。新しくリリースされたCDのことなど、楽しくお話をうかがった。新潟県内の方は電波またはラジコで、それ以外の全国の方はラジコプレミアムで聴くことができます。
October 30, 2014