●13日はマレイ・ペライア&アカデミー室内管弦楽団へ(サントリーホール)。オケのみでメンデルスゾーンの弦楽のための交響曲第7番、弾き振りでモーツァルトのピアノ協奏曲第21番、バッハのピアノ協奏曲第7番ト短調、ハイドンの交響曲第94番「驚愕」というプログラム。弾き振りのピアノの配置は通常のリサイタルなどと同じく横向き、蓋もあり。快活で、洗練されていて、でも案外ハイテンションなペライアのピアノを満喫。モーツァルトの第21番の耳慣れないカデンツァは、第1楽章がペライアの自作、第3楽章がブゾーニ。バッハは譜面あり、譜めくりあり。「驚愕」でようやく指揮棒を持ったペライアが登場。生まじめで精悍なハイドンだったけど、予想以上に楽しい。メリハリのあるティンパニがすごく効いていた。「驚愕」という選曲は悪くないんだけど、これを聴くともう一曲くらいハイドンを聴きたくなる。といっても時間はもう十分なので、終演するしかないわけだが。アンコールはなし。
●「驚愕」第2楽章はもうだれもびっくりないから、「びっくりシンフォニー」は「びっくりしないシンフォニー」になっている。ミンコフスキのようにあそこで沈黙するとか叫び声を挙げるという「超びっくりシンフォニー」もあったが、もうそこまでいくとそれ以上の「びっくり」は手品でもしないと難しそう。
●週末、N響をスラットキンが指揮する予定だったのだが、スラットキンが健康上の理由でキャンセルして、90歳のマリナーが急遽代役で登場することになった。たまたまアカデミー室内管弦楽団の創設者マリナーが、この日東京に居合わせることになったわけだ。ワタシは見ていないんだけど、客席にはマリナー翁の姿もあったとか。
●「びっくりシンフォニー」のあそこでペライアがマリナーに早変わりしてたら史上最強のびっくりだった。あれっ!? あの人マリナーだよ!(ざわ…ざわ…)みたいな。あるわけない。
November 14, 2014