December 4, 2014

祝、松本山雅FCのJ1昇格

松本山雅FCvsロアッソ熊本@アルウィン
●今季、松本山雅FCはJ2を堂々2位で終えて、来季のJ1昇格を決めた。で、思い出したのが2年前の夏。サイトウ・キネンでオネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」が上演されるその日、なぜかワタシは松本を訪れてオネゲルには行かずにアルウィンで松本山雅の試合を観戦したのだった。いやー、あれは今思い出しても楽しかった。アルウィンみたいなコンパクトな専用競技場って、本当にサッカーを見るのに最適。サポーターは温かい雰囲気だし、遠くに山は見えるし、すごく気分がよくなる。アウェイの熊本サポに対して、「信州へようこそ」みたいなアナウンスが入って歓待するムードがあったのも痺れた。
●松本のサッカー熱は想像以上で、街を歩いていてもいたるところに山雅のポスターやらのぼりやらが目に入って、サイトウ・キネンよりはるかに存在感があった。地域密着度は文句なし。ただチームは反町監督のもとで組織的に戦ってはいるものの、まだJ1を目指すところまでは到達してはいないかなという印象だった。それが今や。
●で、少し前にBSで松本山雅と福岡の試合が中継されたので、録画してざっとではあるけど見てみた。すると反町イズムはさらに強まって浸透していて、カラッカラのモダン・フットボールを展開していた。なにせリーグ戦の得点の半分以上がセットプレイから。ハーフウェーラインより手前からのフリーキックでも、ゴール前に選手を置いてセットプレイでの得点を狙う。一方、守備は組織的で失点はすごく少ない。この試合しかチェックしてないからいつもそうなのかはわからないけど、3バックで、高い位置からのプレスが身上か。ボールを持った際には3バックからすぐに前線にボールを送ろうという意図が明確で、まず中央のフォワードに当てるか、それができなければ両サイドのどちらかのワイドに開いた選手を狙う。敵陣でスローインを獲得すると、どんどんロングスローを入れてきて、相手にとってはずっとセットプレイを守っているような嫌さ。この日は雨の日だったが、なんとタッチライン際にロングスロー用にボールを拭くためのタオルがビニール袋に入れて置いてあった!
●戦術の力が勝点に直結していることを痛感させるチームだったが、さてJ1に昇格するとなると、どういった戦い方になるのか。このスタイル、個の力で優位に立つ相手にもそのまま使えそうではあるけど、ハイプレスで相手がミスしてくれる頻度は格段に減るだろうから、選手たちのメンタル的にはいっそうのタフさが求められそう。

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